F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長が、F1に自然吸気エンジンが復活することはないと語った。
■エンジンの見直しを提唱するブラウン
F1の新オーナーとなったリバティ・メディアによってモータースポーツ担当マネジングディレクターに指名されたロス・ブラウンは、スペインのバルセロナで行われている公式シーズン前テストを視察している。
かつてフェラーリの技術責任者として活躍し、2009年にはブラウンGPを率いてF1タイトルをとり、2013年までメルセデスAMGのチーム代表を務めるなど、近代F1に大きな足跡を残してきたブラウンだが、今季のF1カーがこれまでよりも速くなったのは歓迎するが、はやりエンジン音がF1としては物足りないと語ったことが報じられている。
ホンダパワーユニットで苦戦を強いられているフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)も、今週次のように語った。
「V10エンジンが恋しいよ。今のF1はそれにふさわしい音ではないね」
しかし、現在の契約では2020年までは現在のパワーユニット使用が義務付けられている。だが、ブラウンは新オーナーのリバティ・メディアとFIAは、2021年以降に向けてエンジンレギュレーションの見直しを行うべきだと示唆している。
■自然吸気エンジンへの逆行は社会が許さない
だが、トッドは、それはもはや不可能だと考えているようだ。
FIAが発行する広報誌に掲載されたインタビューの中で、F1が再び自然吸気のV10あるいはV12エンジンに戻る可能性があるかと質問されたトッドは次のように答えている。
「それは社会から受け入れられないだろうね」
「我々は自分たちの組織を国際社会の監視のもとで運営していく責任を有している。そして国際社会がそれを受け入れることはないだろう」
■メーカーも撤退するはず
そう述べたトッドは、仮にそういう動きをとれば現在参戦しているエンジンメーカーがF1から去ってしまうのは間違いないと次のように付け加えている。
「実際のところ、仮に10年前のエンジンに戻そうと言ったとしても、きっと多くのメーカーがそういう動きを支援することはないだろうと思うね。私は4社(フェラーリ、メルセデス、ルノー、ホンダ)のうち少なくとも3社は去っていくだろうと確信しているよ」
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