今季最初のF1公式シーズン前テストが行われているスペインのバルセロナで、1日(水)にマクラーレンがホンダと手を切る方向で動き始めたようだとのうわさがささやかれたが、両陣営ともにこれを否定した。
●笑顔のフェルナンド・アロンソ「クルマの反応は良いし、ポジティブだ」
■苦悩するホンダ 新設計エンジンにトラブル続発
今年3年目を迎えるマクラーレンとホンダのプロジェクトだが、ホンダが持ち込んだ新設計のパワーユニットが初日と2日目に連続してトラブルを抱えてしまうという事態を迎えてしまった。
フェルナンド・アロンソが担当したテスト初日の2月27日(月)にはオイルタンクの設計ミスが発見されたと報じられている。さらにストフェル・バンドーンが担当した翌28日(火)にもトラブルが発生。そのとき交換されたパワーユニットはすでに原因究明のために日本に向けて送り返されたという。
こうしたことから、3日目(3月1日)のテストに臨んだアロンソは、何とか72周を消化することはできたものの、パワーユニットの出力をかなり下げた状態での走行を強いられたと言われている。
こうした状況に、ホンダF1プロジェクト責任者の長谷川祐介も、「私にできることはドライバーたちに謝ることだけです」と語っている。
■マクラーレンがルノーと交渉開始との報道
だが、マクラーレン・ホンダにとって悪夢となった2015年のシーズン前テストのリプレイを見ているような状況が、チーム内外に大きな波紋を広げたのは確かだろう。
そして1日には一部のメディアが、マクラーレンがついにホンダと決別する意志を固め、ルノーとの間でパワーユニット供給の可能性についての交渉を開始したと報じた。
だが、このうわさについて質問を受けたマクラーレンのエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)はそれに対して次のように答えている。
「我々がホンダを見捨てるというのかい? いや、そんな計画はまったくないよ」
同じ質問を受けた長谷川も、「もちろん違います」と答え、次のように付け加えた。
「我々が困難な状況にあることを隠すつもりはありません。ですが、こういう状況に対応するためにテストをやっているんです」
■次のテストに最新バージョンPUを投入
長谷川はさらに、マクラーレンとの関係は現在も良好だと次のように続けた。
「私たちの関係は常に改善されています。私はいなかったので2015年とは比較できませんが、私たちはチームですし、チームとして行動しています」
そう述べた長谷川は、来週7日(火)から同じバルセロナで行われる2回目のシーズン前テストには最新バージョンのパワーユニットを投入するつもりだと次のように語った。
「最新バージョンのエンジンを投入し、できる限り早くテストをしたいと思っています」
「ですから、来週は別のエンジンを投入するつもりですし、それによって変化が起きると思います」