グリップの高い幅広タイヤが導入され、空力効果によるダウンフォースも強められた2017年型F1カーは、昨年までのF1カーに比べれば1周あたり数秒もラップタイムが短縮されることになると期待されていた。そして、そうしたF1マシンを操る上では、ドライバーの腕による違いが大きくなるだろうと言われていた。
■高速マシンにはなったがドライバーの重要度はより小さく
2月27日(月)から始まった今年最初のシーズン前テストでのラップタイムを見れば、確かに昨年よりもF1カーのスピードが大幅に上がっているのは間違いなさそうだ。
マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソも「本当のレーシングカーが戻ってきた」と歓迎するコメントを発したと報じられていた。だがそのアロンソは、実際のところドライバーの重要度は逆に小さくなっていると主張している。
■テクノロジーによる差はドライバーの腕の差より大きい
アロンソは母国スペインの『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「攻めた走りをし、自分のドライビングスタイルを表現するという意味では、(2017年のF1カーは)確かにこれまでのクルマよりももっとそれが可能になるのは確かだよ」
「一方で、現在使用しているテクノロジー、空力パッケージ、エンジンによって、ドライバーの重要度はさらに小さくなっていると思うよ」
■今年もマクラーレン・ホンダに不利?
今年は、F1マシンのグリップ向上によってアクセル全開で駆け抜けられるコーナーが増えるだろうと言われている。そのことにも言及しながら、アロンソは次のように付け加えた。
「今年はいくつかのコーナーがもうコーナーとは呼べなくなると思っている。だから、仮に昨年20馬力劣った状態でコンマ3秒か4秒失っていたとすれば、今年はコンマ5秒は失うことになるんじゃないかな」