今季ザウバーに移籍したパスカル・ウェーレインだが、いつになったらF1カーのステアリングを握ることができるのか、まだしばらく不透明な状況が続くことになるかもしれない。
■復帰のタイミングはまだ不明だとザウバー代表
2月27日(月)から今年最初のF1公式シーズン前テストが行われているバルセロナにはウェーレインもその姿を見せている。だが、1月にROC(レース・オブ・チャンピオンズ)でクラッシュした際に痛めた首がまだ完治しておらず、今回はテストに参加することができない状態だ。
ウェーレイン本人は27日に「もうずいぶん前から痛みは消えているよ」と主張したが、医師の許可が下りておらず、ザウバーではウェーレインに代えてフェラーリの控えドライバーを務めるアントニオ・ジョビナッツィにテスト走行を委ねている。
ウェーレインの復帰に関して、ザウバーのチーム代表であるモニシャ・カルテンボーンは次のように語った。
「今後も彼の回復状況を観察していき、その上で次のステップを決めることになります」
■今週末に確定する次回テスト参加可否
22歳のウェーレイン本人は、7日(火)から同じバルセロナで行われる2回目のシーズン前テストには参加できるだろうと語っているものの、まだそれが実現できるかどうかは確定していない。
「医師による次の診断は週末にチューリッヒで行われることになっているんだ」
スイスの『Blick(ブリック)』紙にそう語ったウェーレインは、次のように付け加えた。
「彼ら(医師)が何も問題はないと言ってくれ、またクルマに乗れるようになるのを期待しているよ」
■脊椎損傷とのうわさは否定
ウェーレインのけがに関しては、首の筋肉だけでなく、脊椎(せきつい)も何らかのダメージを負っているのではないかとのうわさもささやかれている。
だが、ウェーレインは、完治の判定に時間がかけられているのは、単なる予防措置に過ぎないと次のように主張している。
「健康が一番重要だからね。僕は全面的に医師の助言に従うよ」
「(テストを)見ているだけなんてつらいけれど、クルマやタイヤに関する情報をできる限りたくさん集めようとしているし、チームのことももっと理解しようとしているところさ」
■トレーニングも継続中
だが、今季のクルマは昨年までと比べてダウンフォースやグリップが強まっており、コーナリングやブレーキングの際には首にさらに荷重がかかることになる。そのため、ドライバーたちはシーズンオフの間に特に首の筋肉を鍛えるトレーニングをこなしてきている。
これまで十分に首の筋肉トレーニングができていないウェーレインは、仮にけがが完治したとしても、3月26日(日)に決勝が予定されているF1開幕戦オーストラリアGPも欠場する可能性があるのではないかとも言われている。
だが、こうしたうわさに関し、ウェーレインは次のように反論した。
「僕は寝たきりになったわけじゃないよ。僕もトレーニングは続けているんだ。それに、レース・オブ・チャンピオンズに出たころにはすでに5kgも筋肉を増加していたんだからね」