ルノーで2年目のF1シーズンを迎えるジョリオン・パーマーが、2017年には大番狂わせが起こる可能性もあると考えている。
パーマーが所属するルノーは、財政難でチーム消滅の危機にあったロータスを買収し、2016年にフルワークス体制によるF1挑戦を再開。だが、そのクルマはメルセデスパワーユニット搭載用に設計されていたシャシーに急きょルノーパワーユニットを積み替えた妥協の産物とも言えるしろもので、コンストラクターズランキング9位に終わっている。
■第二のブラウンGP誕生の可能性も?
だが、パーマーは、ルノーの2017年型車の発表が行われた21日(火)に次のように語った。
「何人かの友人から、ブラウンがやったようなことができると想像してごらんと言われてきていたんだ」
パーマーが言うブラウンとは、2009年にF1タイトルを獲得したブラウンGPのことだ。2008年シーズン限りでF1ワークス活動から撤退したホンダからチームを譲り受けたロス・ブラウンが、2009年にプライベートチームのブラウンGPを立ち上げてF1に挑戦を行った。
だが、そのブラウンGPは革新的なダブルディフューザーの導入などにより開幕ダッシュを果たし、そのままジェンソン・バトンがドライバーズタイトルを獲得。チームもコンストラクターズタイトルを手に入れるという番狂わせを演じて見せたのだ。
■今年は下克上もありえるとパーマー
「それは可能なんだ」と『Times(タイムズ)』に語ったパーマーは、暗にルノーが予想以上の躍進を見せる可能性もあると示唆しながら、次のように続けた。
「これまでとは全く違うレギュレーションだからね。これまでの数年と比べれば、誰かが予想を覆すようなことをしでかすチャンスは本当にあるよ」
■期待がかかるルノーの新パワーユニット
実際のところ、ルノーではそのパワーユニットの95%を新たに設計したと言われる新型パワーユニットを2017年に投入することになっている。
ルノーのチーフテクノロジーオフィサーを務めるボブ・ベルに言わせれば、今年のルノーパワーユニットは「フェラーリと大差ない」ものになっているという。
タグ・ホイヤーというブランド名で呼ばれることにはなるものの、ルノーからパワーユニットの供給を受けるレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーも次のように語っている。
「彼ら(ルノー)は素晴らしい冬を送ったよ。我々もパフォーマンスの改善を期待しているところだ」
■やるべきことは多いとヒュルケンベルグ
だが、今年パーマーの新たなチームメートとなるニコ・ヒュルケンベルグは、あまり過度の期待を抱くことは危険だろうと考えている。
「昨年どういう位置にいたかということを考えれば、追いつくためにやるべきことはまだかなりあるよ」
母国ドイツの『Bild(ビルト)』にそう語ったヒュルケンベルグは、まだトップチームたちとの差は大きいだろうと次のように付け加えた。
「メルセデスAMGとレッドブルが頭ひとつ抜けた存在になると思うね」
実際のところ、ルノーが今年優勝争いにからむことができると考えている者はそれほど多くはないだろう。ルノーのマネジングディレクターを務めるシリル・アビテブールも、今季の目標はコンストラクターズランキングで5位となることだと語っているが、それも決してたやすい目標ではないはずだ。