セバスチャン・ベッテルが、フェラーリでF1チャンピオンになるという夢がかなえられると信じていると主張した。
2010年から2013年までレッドブルで4年連続F1チャンピオンとなったベッテル。フェラーリに移籍した2015年には3勝をあげ、翌2016年にはさらにメルセデスAMGとの差を縮められるのではないかと期待されていた。
ところが、いざシーズンが始まってみればフェラーリはメルセデスAMGに追いつくどころか、レッドブルにコンストラクターズランキング2位の座を明け渡してしまった。
その2016年シーズンに念願のF1チャンピオンとなった直後に引退を発表したニコ・ロズベルグは、ベッテルは今では2018年にメルセデスAMGへの移籍を考え始めているに違いないと語っている。
■フェラーリでのタイトル獲得をあきらめたりはしない
だが、ベッテルは母国ドイツの『Die Welt(ディー・ヴェルト)』に次のように語った。
「僕はフェラーリでF1チャンピオンになるという計画を推し進め続けるよ」
「僕はまだ自分にはそれができると信じているし、彼ら(フェラーリ)を信じているんだ」
ベッテルの父親であるノルベルトも、自分の息子はフェラーリで勝つという目標をあきらめないだろうと考えている。
「セブ(ベッテルの愛称)が何か心に決めたときには、彼はそれに向かってライオンのように戦うよ」
そう述べたノルベルトは次のように付け加えた。
「そしてもしそれがうまくいかなければ、セバスチャンはさらに強く自分の目標を信じるんだ。彼はあきらめたりはしないよ」
■まだ時間が必要だが目標は達成できる
だが、現在のフェラーリが勝てるとは思っていない者も多い。例えば、今年F1最高責任者の座から引きずり降ろされてしまったバーニー・エクレストンは、フェラーリがあまりにもイタリアのやり方にこだわり過ぎた過去の状態に戻ってしまったと最近語っている。
しかし、ベッテルは次のように続けた。
「僕は可能な限りすぐにF1チャンピオンになろうと思ってフェラーリに移籍したわけじゃないよ。僕はすぐに成功が訪れることはないだろうし、目標を達成するのが簡単ではないだろうということははっきりと分かっていたんだ」
「現在のフェラーリの状況は、僕にとってはそれほど大きな驚きじゃないよ。だけど、2016年を振り返れば、僕はフェラーリと自分が正しい方向に進んでいると確信しているよ」
「今のチームは多くの人たちが考えている以上に成長を遂げているよ。だから僕も確信しているんだ。僕たちが自分たちで定めた目標を達成できるはずだとね」
■実際にはフェラーリも進歩を遂げている
その目標を今年達成することができると思うかと尋ねられたベッテルは、次のように答えた。
「それは誰にも答えられない質問だね」
「だけど、僕たちはこれまでに多くのことを学んだし、それによって今後さらに強くなることができる。2016年にはメルセデスとの差は小さくなっていた。フェラーリにとって順調なシーズンとならなかったのも事実だけどね」
そう語ったベッテルは、次のように締めくくっている。
「僕にとってくやしいのは、その結果が正しく評価されていないということさ。批判は正当なものではないよ。内部的な体制が基本的に大きく変わっていないチームと戦っているのだということを考えれば、フェラーリはすごく大きく進歩したと言えるよ」