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ストロール「コックピットにおさまれば育った環境など関係ない」

2017年02月22日(水)8:55 am

今季ウィリアムズからF1デビューすることになった18歳のランス・ストロールが、大富豪の父親による支援や、これまで秘密裏に行ってきたF1カーでのプライベートテストなどについて語った。

ストロールが18歳という年齢でF1デビューできるところまでに来た背景には、カナダのファッション業界の雄として知られる大富豪の父親ローレンス・ストロールの援助があったのは間違いのないことだ。

■富豪の父親がいなければチャンスはなかった

ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』から、父親が大金持ちであることについて聞かれたストロールは、「もちろん、それは重要だったよ」と答え、次のように続けた。

「彼(父親)がいなければこういうことは可能ではなかっただろうからね。このスポーツでは必要なものが2つある。才能とお金さ。ほかのドライバーたちはスポンサーを持っているけれど、僕には父親がいるということさ。どこからか金を工面するしかないんだ」

■裕福でもハングリーにはなれるとストロール

これまでにも資金を持ち込んでF1シートを得た、いわゆる「ペイドライバー」と呼ばれるドライバーたちがいたのは事実だ。だが、F1関係者の中にはストロールは単に金の力だけでF1シートを得た「ペイドライバー」だと見なすのは間違いだと考えている者も少なくない。ストロールは過去3年間連続で下位カテゴリーの年間チャンピオンとなっている。その中には2016年のヨーロッパF3シリーズも含まれている。

だが、これまでに3度F1王座についたルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)などは、資金力に恵まれた環境で育ってきたドライバーはF1ではあまり活躍することができないと考えているようだ。その理由は、質素な環境で育ったほうがより「ハングリー」なドライバーとなれるためだという。

だが、ストロールはそうした意見に対して次のように反論した。

「僕はそんなことは信じないよ。僕は何をやるにせよ、常に勝ちたいと思ってきた。コックピットにおさまり、バイザーを下げたら、自分がどういう育ちなのかなんて関係ないよ」

■勝つことでステップアップしてきた

だが、そう語ったストロールは、父親が富豪であるということが自分の肩にプレッシャーとしてのしかかっているのは事実だと認め、次のように続けた。

「誰もが注意深く見ているよ。彼らは僕が今いるところにふさわしいかどうかを知りたがっているんだ」

「僕に与えられたチャンスには感謝しているよ。だけど、僕にできることは選手権に勝つことだけだったんだ。スーパーライセンスポイントを金で買うわけにはいかないんだからね」

■例を見ないプライベートテストを経験

とはいえ、ストロールがほかのF1ドライバーたちに比べるとかなり有利な条件でF1デビューを果たすことは間違いない。

例えば、ストロールは昨年ほぼ1年にわたって2014年型ウィリアムズF1カーを用いて世界中のF1サーキットでプライベートテストを行ってきている。こうした経験を持つドライバーは最近では皆無だと言っても過言ではないだろう。

「(2016年の)クリスマスまでに僕は2日間のテストを4回やったし、シルバーストンで走行試験も行ったんだ。それから、モンツァ(イタリア)、シュピールベルク(オーストリア)、ブダペスト(ハンガリー)、バルセロナ(スペイン)、そして最近はアブダビでもやったよ。新しいシーズンが始まる前にヨーロッパ以外でも何度かやるつもりだけど、まだサーキットとの間で合意がとれていないんだ」

■ハミルトンやビルヌーブもかなり走行を積んでいた

そう認めたストロールだが、F1ドライバーを目指す者にとって可能な限りの準備を行うのは当然のことだと次のように続けた。

「(ルイス)ハミルトンや(ジャック)ビルヌーブだってかなりの距離を走っていたと思うよ。誰もがF1に慣れるための自分なりのやり方を持っているんだ。バルテリ(ボッタス)も金曜フリー走行で走っていたしね」

だが、どうしてそのプライベートテストを完全に秘密裏に行ってきたのかと質問されたストロールは、次のように説明している。

「大げさにする理由などなかったしね。ウィリアムズは僕が自分の仕事に集中することを望んでいたんだ」

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