2016年に初タイトルを獲得し、F1を引退したニコ・ロズベルグが、チームメートに勝つためにあらゆることを犠牲にしたと語った。
ロズベルグは、『Daily Mail(デイリー・メール)』紙のインタビューで、メルセデスAMGのチームメートだったルイス・ハミルトンについて次のように語っている。
■ハミルトンに「好き放題にやられていた」
「ルイスは、グレーエリアからはみ出さずに限界まで攻めるのがすごく得意だ。クルマを操る腕があるから。彼は頭がいい、ものすごくね」
「ホイール・トゥ・ホイールでの戦いは僕にとっては難しかった。でも、彼は自然にできるんだ。僕は理論的にやるしかなかった」
「より攻撃的になったよ。以前は彼に好き放題にやられていたからね。僕はビデオを見て、改善しなければならなかった」
■瞑想で敗北の恐怖と向き合う
激しいチームメートバトルが続く中、瞑想が役に立ったとロズベルグは明かしている。
「毎日、朝と夜に20分ずつ瞑想をした。そうすると、自分がなぜ嫉妬や怒りやストレスを感じているのかが分かってくるんだ」
「じっと座って自分の思いについて考え、心をリラックスさせる方法を学んだ。20回もやれば、心が落ち着く」
「チャンピオン争いで敗れるかもしれないという恐怖が忍び寄ってきたら、その思いを引き寄せて、それと話し合うんだ。すると、ネガティブな思いが軽くなる」
■減量で獲得したポールポジション
また、チャンピオン獲得のために様々なことを犠牲にしたとロズベルグは話す。
減量のために砂糖を絶ち、ケチャップも使わず、手が10日間震えたこともあるという。
「夏にサイクリングをやめた。1キロ減量するためだ」
「次のレースの鈴鹿(日本GP)で、僕は100分の2秒差でポールを取った。1キロの減量で1周100分の3秒削れる。つまり、僕は足の筋肉を失ったおかげでポールが取れたんだ」
「そういう小さなディテールまで突き詰めた」
■妻と幼い娘の協力
犠牲は家庭生活にも及んだ。妻のビビアンと2015年に誕生した娘のアライアについて、ロズベルグはこう語る。
「ビビアンは本当にあらゆることをやってくれた。娘が何か必要なときにはビビアンが必ずついていたけれど、娘の世話で大変なことを僕は一切やらなかった」
「僕は時差ボケの対策として、徐々に別のタイムゾーンに移行していた。1日1時間半ずつずらしていくんだ。そうすると、午後は眠って、夜に生活することになる。最悪だよ」
「アライアは、パパの邪魔をしちゃいけないと分かっている。そのことがよく分かっているから、寝室に来ると口の前に指を当てて“しーっ”と言っていたほどだ」
「今は僕も大変なことをやっているよ。それで絆が生まれるし、娘も愛情で応えてくれる」
新シーズンが近づいてきたF1だが、ロズベルグは新たな人生を見つめていると話す。
「今、3月までのカレンダーを見ると完全に真っ白だ。最初から最後まであいている。何でも自分の望むことを探究できるし、家族ともっと過ごすことができるよ」