F1カーのコックピット保護装置導入がもう1年先送りにされるかもしれないと報じられている。
当初、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、2017年から同装置の導入を目指していた。だが、まだあらゆる可能性が十分に検討されていないとして2018年までその導入が見送られることになっている。
■2018年から導入が予定されている「ヘイロー」
現時点において、導入に向けて最有力視されているのがコックピットをロールバー状のフレームで囲むような形の「ヘイロー」と呼ばれるシステムだ。
だが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』がこのほど報じたところによれば、2018年もヘイロー導入が見送られる可能性が出てきているようだ。
■ドライバーの反対票が賛成票を上回る
FIAでは、このヘイロー導入に向けてドライバーたちを対象に意見聴取を行ったが、今年の2月1日(水)現在において導入に反対するドライバーがわずかながら過半数に達したのだという。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、FIAは16人のドライバーから回答を得たものの、そのうち反対が7人、賛成が5人、棄権が4人という結果だったという。
この結果を受け、「FIAは代替案に関するリサーチを継続している」とその記事は伝えている。
■安全面の改善を続けるべきだとロズベルグ
今週、ドイツのデュッセルドルフで開催されたスポーツ・ビジネス・サミットに姿を見せたニコ・ロズベルグは、2014年のF1日本GP決勝でコース脇の作業車に激突し、それが原因となって翌年の7月に他界したジュール・ビアンキについて言及しながら次のように語った。
「これまでに(安全面が)大きく改善されたのは素晴らしいことだよ。だけど、残念ながら2年まえに仲間を失ってしまった。それは僕たちのスポーツにとっては厳しい挫折となった」
2016年に初のF1チャンピオンとなったのを機にすでにF1を引退してしまった31歳のロズベルグは次のように付け加えた。
「だからこそ、僕たちはさらに改善するよう努める必要があるんだ」
この件に関し、FIA会長のジャン・トッドは次のように付け加えている。
「現在、F1はモータースポーツにおいては安全なカテゴリーだと言えるだろう。だが、小さな改善を行う余地は常にあるものだ」