F1最高責任者の地位を失ったバーニー・エクレストンが、今後もF1レースには姿を見せるつもりだと語った。
長きにわたってF1最高権威のポジションにあった86歳のエクレストンだが、ついにその地位を失うことになった。
F1の新オーナーとなったリバティ・メディアは、F1の新会長に指名していたチェイス・キャリーをエクレストンの後任としてCEO(最高経営責任者)に就任させることを発表。エクレストンは「名誉会長」としてF1運営の第一線から退くこととなった。
■新しい肩書の意味も知らないとエクレストン
リバティ・メディアは声明の中で、エクレストンの肩書を“chairman emeritus”(名誉会長)としているが、今のエクレストンにはこの肩書がまったくしっくりとはきていないようだ。
「私の新しい地位はアメリカ的表現なんだ」
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語ったエクレストンは、次のように付け加えた。
「“honorary president” (イギリスで言う名誉会長)のようなものだろうね。私にはその意味も分からないまま、この肩書がつけられることになるんだ」
■今後もグランプリには行くつもり
エクレストンは悲しみを帯びた声でさらに次のように続けたという。
「これからは穏やかな日々を過ごすことになりそうだよ。多分、グランプリには行くと思うよ。まだF1には大勢の友人たちがいるし、レースを訪れるのに十分な金も持っているからね」
エクレストンは、これまでF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の世界モータースポーツ評議会メンバーも務めてきている。FIAから委託された職務に関しては今後も同じように務めることになるのかと質問されたエクレストンは、「それはないんじゃないかな。ジャン・トッド(FIA会長)と話をしないとならないだろうね」と答えた。
一方、エクレストンにお役御免を言い渡し、新たなF1最高責任者の地位についたキャリーは、エクレストンは「今後もずっとF1ファミリーの一員だ」と語っている。