MotoGPの人気ドライバーであるバレンティーノ・ロッシが、かつてF1に転向するチャンスを捨てたことを後悔していないと語った。
■フェラーリからF1デビューが期待されたロッシ
当時、世界最高峰の二輪選手権においてすでに複数回のタイトルを獲得していたイタリア人ライダーのロッシは、2006年のF1シーズン開幕前にフェラーリでテスト走行を行ったことがある。
このとき、ロッシは当時フェラーリに在籍していたミハエル・シューマッハに匹敵するほどのタイムを刻んでみせ、F1関係者を驚かせた。そして、ロッシがF1に転向するのではないかとのうわさがささやかれ、シューマッハもそうするようロッシに勧めたと言われている。
だが、結局ロッシがF1に転向することはなかった。
■F1転向しなかったのは正しい判断だった
そのテストから10年以上が経過し、37歳となったロッシは、ブラジルの『Globo(グローボ)』に次のように語った。
「僕は正しい決断をしたと思っているよ」
「僕は2006年にはMotoGPにとどまった。それからまた2回チャンピオンになったし、素晴らしいレースと素晴らしいバトルを行うことができたよ」
「だから、僕は後悔などしていないよ。でも、僕はF1が本当に好きなんだ。どうなるか様子を見てみようと考えたときもあったよ。そしてまた何度かテストをしようと決めたんだ」
「帰りの飛行機の中で、『いや、僕はまだバイクを止めることはできない』と考えたことを覚えているよ。そして、それは正しい判断だった」
そう語ったロッシは、今後達成したい2つの目標は、有名なル・マン24時間レースを擁するWEC(世界耐久選手権)と、ダカール・ラリーに出走することだと付け加えた。