レッドブルの総帥ディートリッヒ・マテシッツが、『Speedweek(スピードウィーク)』紙のインタビューに答え、F1の将来に向けての課題などについて語った。
旧オーナーのCVCからF1株式を買収し、新たなF1オーナーとなる手続きを進めているアメリカのリバティ・メディアだが、株式の一部をF1チームたちに取得させ、共同オーナーとすることを計画している。
■F1株式を取得すべきかどうかはまだ分からない
だが、レッドブルとトロロッソの2チームをF1に送り込んでいるマテシッツは次のように語った。
「正直に言って、株を買うべきかどうか分からないんだ」
「一方では、そうする必要があることは明らかだ。F1には自動車メーカー以外のオーナーも必要だからね」
「だが、もう一方では、その価値はコミットするチームに依存することになる。現在の契約(2020年まで)が満期を迎えた後でどうなるか様子を見る必要もあるだろうね。これに関しては恐らくすぐに交渉が開始されるだろう」
■F1新会長と話し合いたい課題は?
リバティ・メディアからF1の新たな会長職を任命されたチェイス・キャリーにはすでに会ったのかと質問されたマテシッツは、「いや、まだだ」と答え、次のように付け加えた。
「だが、チェイスはバーニー・エクレストン(F1最高責任者)とともに来週キッツビューエル(オーストリア)で行われるスキーのワールドカップに姿を見せることになっているから、そのときに話ができるだろうね」
その際、どのような話をするつもりなのかと尋ねられたマテシッツは次のよう点を話題にしたいと答えている。
「F1の人気はトップ争いにかかっている。3番手や4番手争いでは十分じゃない」
「クルマももっとよくする必要がある。それはすでに2017年から始められることになっているがね」
「ドライバーに対してばかげたペナルティーがたくさん科されることもファンからは理解されていないよ」
■エクレストンは今後もF1に必要な人材
リバティ・メディアという新オーナーが登場することで長年F1最高権威の座にある86歳のエクレストンが現在の地位を失うことになるのではないかとのうわさもある。その件について質問されたマテシッツは、「もし彼ら(リバティ・メディア)が賢ければ、彼(エクレストン)をとどめておくだろう」と答え、次のように付け加えた。
「バーニーがいなければF1においてうまく立ち回ることができないと考えるほうが分別があるというものだ」
■オーストリアGPの将来はレッドブルの活躍次第
一方、最近の報道ではレッドブルリンクで開催されているF1オーストリアGPが大きな赤字を出していると伝えられている。マテシッツ自身も2016年シーズンは確かに赤字だったと認め、二輪世界選手権であるMotoGPのほうが費用効率が高いと語っている。
だが、マテシッツはレッドブルの活躍次第ではオーストリアでの観客増も見込めると次のように続けた。
「もし2017年にレッドブル・レーシングがリードしているようなら、日曜日(決勝)には5万人ではなく7万人の観客を見込むことができると思うよ」