今年、トロロッソで3年目のF1シーズンを向かることになったカルロス・サインツが、「怒り」を感じるものの、今は「忍耐」のときだと語った。
レッドブルの育成ドライバーとなったサインツは、2015年に17歳でのF1デビューが大きな話題となったマックス・フェルスタッペンとともにトロロッソからF1デビュー。そして2シーズン目の2016年序盤もフェルスタッペンとほぼ互角の走りを見せていた。
■レッドブルに「前進」を阻まれたサインツ
ところが、第4戦ロシアGP後に、フェルスタッペンがレッドブルへ昇格。レッドブルではその後今後数年はダニエル・リカルドとフェルスタッペンのコンビで戦うことを示唆しており、トップチームであるレッドブルへの昇格を目指していたサインツにとっては厳しい現実が突き付けられてしまった。
それだけではない。レッドブルへの昇格の望みは絶たれてしまったものの、2016年からフルワークス体制でF1再挑戦を開始したルノーのワークスチームから2017年の契約を結びたいとのオファーを受けていた。さらに、2016年のF1チャンピオンとなったニコ・ロズベルグが突然の引退を発表した際、メルセデスAMGがその後任候補のひとりとしてサインツ獲得の可能性を探っていたとも言われていた。
だが、そのいずれのケースにおいても、レッドブル側が現在結んでいる契約を盾にとってサインツがライバルチームへ移籍することを拒んだのだ。
■前に進めないことがつらい
22歳のサインツは、母国スペインの『El Pais(パイス)』紙に現在の心境を次のように語った。
「つらいね」
「すでにやったのと同じことをF1でもう1年やるのはすごくつらいよ。僕は自分が前進できていないことに対して怒りを覚えているんだ」
「僕にはルノーからすごく興味深いオファーが来ていたんだ。結局はレッドブルがそれを拒絶したから僕も断るしかなかったけれどね」
「仕方ないさ。もし僕が違う年にあのシーズン(2016年)と同じことをやっていたら、僕がレッドブルのシートを得ていただろうと思う。だけど、今チーム(レッドブル)に空きはないし、彼らは今の2人のドライバーにすごく満足しているんだ」
そう語ったサインツは、次のように締めくくった。
「さっきも言ったけれど、仕方のないことだし、F1というものは理解しがたいときもあるんだ。僕にはただ辛抱することが必要なんだ。そうすればまた(チャンスが)訪れるよ」