2016年のF1タイトルを獲得したニコ・ロズベルグが突然のF1引退発表を行ったが、これによりメルセデスAMGの来季のシートにひとつ空きが生じることになった。
今後しばらく、誰が来季ルイス・ハミルトンのチームメートになるのかということが大きな話題となるのは間違いない。
だが、ロズベルグのF1引退の影響は弱小チームにも及んでいる。
■下位チームでドライバーの玉突きが再開?
2016年のF1第20戦ブラジルGPで、ザウバーに虎の子の2ポイントを持ち帰ったブラジル人ドライバーのフェリペ・ナッセだが、少し前までは2017年のシートはメルセデス所属ドライバーであるパスカル・ウェーレイン(マノー)に奪われてしまうだろうと言われていた。
だが、ロズベルグの引退により、突如ウェーレインが来季メルセデスAMGのシートを得る可能性が出てきたのだ。
■ザウバーとの交渉中断を認めたメルセデスAMG
メルセデスAMGを率いるトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は、今週『DPA通信』に次のように語り、ザウバーとのウェーレイン受け入れ交渉が中断されたことを認めている。
「これまで数週間にわたってザウバーとはいい話し合いが進められていた。だが、今はいったん保留状態となっている」
■依然として厳しい状況のナッセ 決着は来年2月?
しかし、仮にウェーレインのザウバー入りがキャンセルされたとしても、それですぐにナッセの残留が決まるわけではない。ナッセはこれまでチームに多額の資金を持ち込んでいたスポンサーのブラジル銀行を失っており、まだ資金を持ち込むことができるドライバーとの契約を優先せざるを得ないザウバーがナッセとの契約を更新する可能性はいずれにしても低いと見られるためだ。
ナッセは、母国ブラジルの『UOL Esporte(ウニヴェルソ・オンライン・エスポルチ)』に対し、ザウバーの2017年のもう1人のドライバーが決定するのは「2月まで遅れ込む」こともあり得るだろうし、自分は忍耐強くそれを待つつもりだと語っている。
F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は6日(火)に2017年の暫定エントリーリストを発表したが、それによれば現時点で空き状態となっているシートは、メルセデスAMGにひとつ、ザウバーにひとつ、そしてマノーの2つの合計4つとなっている。