今季のF1チャンピオンとなったニコ・ロズベルグが電撃的にF1引退を決めたことから、にわかにセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、あるいはフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)が来季メルセデスAMGに移籍するのではないかとのうわさがささやかれている。
■ほとんどのドライバーがロズベルグのシートに関心
メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターを務めるトト・ヴォルフは、2017年に突然ひとつのシートが空くことが明らかになって以来非常に多くのドライバーが接触を試みてきたと明かし、次のように語った。
「私に電話をかけてこなかったのは2人だけだった。それはダニール・クビアト(トロロッソ)とキミ・ライコネン(フェラーリ)だよ」
「パストール・マルドナードも含め、誰もが連絡してきた。すでに契約を結んでいるドライバーたちでさえもね」
だが、ベッテル加入の可能性を尋ねられたヴォルフは、次のように答えた。
「私はフェラーリ内部の問題に干渉するつもりはないし、セバスチャンが真剣に(チームを)変わることに興味を持っているのかどうかも分からない」
■「僕にはフェラーリとの契約がある」とベッテル
そして、4日(日)にアメリカのデイトナ・インターナショナル・スピードウエイで行われたフェラーリのファン感謝イベントに参加していたベッテルは、このうわさに関して次のように語った。
「キミ(ライコネン)と僕はどちらも契約がある。だから、それで明白なはずさ」
だが、世界有数の自動車会社であるメルセデスのワークスチームであれば、すでに結ばれている契約を買い取るだけの資金力もあるはずだ。
■トップドライバーの引き抜きは最後の手段だとヴォルフ
だが、ヴォルフは次のように語り、この時期ではすでにそうした交渉や手続きを行うには遅すぎると示唆した。
「どうしてフェラーリやマクラーレンが12月にベッテルやアロンソを手放す必要があるだろうか?」
「あるいは、ウィリアムズがバルテリ・ボッタスを手放すだろうか? だから、私が言った3番めの選択肢(他チームからのドライバー引き抜き)は、私にとっては最後の手段ということさ」
ヴォルフがイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に語っていた3つの選択肢とは、まずルイス・ハミルトンをナンバー1ドライバーとして確立させ、そのチームメートとして誰かをナンバー2ドライバーとして迎え入れいることだ。2つめはメルセデスのジュニアドライバーであるパスカル・ウェーレイン(マノー)もしくはエステバン・オコン(マノー/2017年はフォース・インディアへの移籍が確定)を昇格させること。そして3つめがライバルチームからトップドライバーを引き抜くということだ。