今季のF1第20戦ブラジルGPでザウバーに逆転され、コンストラクターズランキング最下位に落ちてしまったマノーが、再び経営破たんに陥るのではないかとのうわさがささやかれ始めている。
■ランキング最下位に転落したマノー
パスカル・ウェーレインが第9戦オーストリアGPで10位入賞を果たしたことによる1ポイントのおかげで、第19戦メキシコGP終了時点までは無得点のザウバーをおさえてランキング10位に位置していたマノー。だが、ブラジルでは地元出身のフェリペ・ナッセが雨を味方につけて9位でフィニッシュ。2ポイントを獲得したザウバーがマノーを逆転して10位に浮上している。
仮に、マノーが10位のままでシーズンを終えることができれば、1,500万ドル(約17億円弱)とも言われる分配金をF1から得ることができるはずだったが、今ではその金はザウバーにわたる可能性が高くなっている。
■まだチャンスは残されている
だが、マノーのレーシングディレクターを務めるデイブ・ライアンは、まだマノーにもチャンスは残されていると『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「ザウバーにはお祝いを言うよ。彼らはチャンスを100%うまく生かした」
「まだもう1レースが残っているし、チャンスもあるよ」
「このスポーツでは何が起きるか分からないし、チェッカーフラッグが振られるまでレースは終わらないからね。だから、あそこでは雨となることは考えにくいが、それでも望みは抱いているよ」
■このまま終わってもチームがつぶれることはない
確かに、まだ今週末に行われる最終戦のアブダビGP(27日決勝)が残されてはいる。だが、ライアンも言うように、アブダビではウエットコンディションとなることは考えにくく、レースが荒れた展開となる可能性はブラジルのインテルラゴスと比べれば非常に小さいのが現実だろう。
そして、もしこのままマノーがコンストラクターズランキング最下位でシーズンを終えれば、巨額の収入を得ることができなくなってしまう。
だが、ライアンは、それによってチームが再び破たんの道を歩むようなことはないと次のように主張した。
「金はないよりあったほうがいいさ。だが、金が得られなかったからと言ってそれで終わりだというわけではない。それによって我々がつぶれてしまうようなことはないよ」