今週、今年7月までフェラーリのテクニカルディレクターを務めていたジェームス・アリソンがメルセデスAMGに加入することになるかもしれないとのうわさがささやかれ始めた。
■イギリスに拠点を置くチームへの加入が見込まれるアリソン
今年初旬に突然妻が病死したアリソンは、子供たちとの生活を大事にしたいと7月いっぱいでフェラーリを辞め、母国イギリスに戻っている。だが、優秀なエンジニアとして知られるアリソンは、いずれイギリスに開発拠点を置くいずれかのチームに移籍することになるだろうと考えられている。
今週になってアリソンのメルセデスAMG入りがうわさされるようになったのは、現在メルセデスAMGの技術責任者を務めているパディ・ロウがアリソンの後任としてフェラーリに加入するのではないかとのうわさがささやかれるようになったためだ。
■メルセデスAMG技術トップにフェラーリ加入のうわさ
ロウのうわさがささやかれるようになったのは、ロウとメルセデスAMGとの現在の契約が満期を迎えることになっており、これからその更新交渉が行われることになるためだ。技術トップとしてメルセデスAMGの3年連続F1タイトル獲得を支えたロウに対し、なんとか現状から脱却してタイトルを奪い返したいと考えるフェラーリが食指を動かす可能性も十分に考えられそうだ。
イギリス出身のロウは、『BBC』に対して自分の契約が更新時期を迎えていることを「否定するつもりはない」と答えたものの、フェラーリと連絡を取り合っているのではないかと質問されると「ノー」と答えている。
だが、マラネロ(フェラーリ)で仕事をしてみたいと思うかと尋ねられたロウは、「それには答えられない」と返すのみだった。
■アリソンにはマクラーレン入りの可能性も
そうしたメルセデスAMGとロウの状況を受け、アリソンがメルセデスAMGに加入するのではないかとのうわさが急速にささやかれるようになったわけだが、最近グループ最高権威であったロン・デニスが失脚したマクラーレンに加入する可能性もあるのではないかと言われている。
『BBC』によれば、アリソンはイギリスに拠点を置く主要チームのうち、ルノー、ウィリアムズ、レッドブルへ加入する可能性はないとにおわせたという。残るチームは、メルセデスAMGとマクラーレンというわけだ。
■メディアに話すべき問題ではないとメルセデスAMGのボス
一方、ロウが離脱するのではないかとのうわさにかんし、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは次のように語っている。
「シリーシーズン(移籍のうわさがささやかれる季節)も、ドライバーから上級管理職へと移ってきたようだね」
「パディは素晴らしい人物だし、我々の成功を支えてきたひとりであり、非常に重要な役割を担っている。みんなが契約についての話し合いをしているのは確かだが、メディアはそのことを話すための場所ではないよ」