元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーが、19歳のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、伝説的ドライバーであるアイルトン・セナと比較するにふさわしいドライバーだと称賛した。
【動画】F1界がフェルスタッペンを絶賛、雨で魅了した伝説「セナやシューマッハのようだった」
2015年に17歳という若さでF1デビューを飾ったフェルスタッペンだが、それ以前からセナに匹敵する才能を持つドライバーではないかと言われることも多かった。
■“雨のセナ”をほうふつさせたフェルスタッペン
だが、先週末に行われた雨のブラジルGP決勝において、クラッシュが多発する悪コンディションの中でフェルスタッペンが終盤に怒とうの追い抜きを見せたことで、再びセナとの比較論がメディアをにぎわせることとなっている。
レッドブルのドライバー育成責任者として知られるヘルムート・マルコは、そのフェルスタッペンの走りは1993年にドニントンで行われたイギリスGP決勝でセナが見せた伝説的な走りを思い起こさせるものだったとコメント。
イタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』も次のように書いている。
「この日、本当のヒーローだったのはフェルスタッペンだ。彼はかつてのセナと同じような日曜日を過ごした」
「19歳という年齢で、彼は勇気とごう慢さによって過去と現在との間に不可能な橋を築き、ほかのすべてのドライバーたちにプレッシャーを与えたのだ」
■フェルスタッペンはセナを思い出させるとベルガー
何かにつけて話題作りをしたいメディアや評論家たちがセナやほかのドライバーと特定のドライバーの比較を行うことはF1の世界ではよくあることだ。だが、かつてマクラーレンでアイルトン・セナのチームメートとして活躍していたことでも知られるベルガーは、フェルスタッペンは本当にセナと比較されるだけの力を持ったドライバーだと次のように語った。
「確かに、マックスを見るとセナのことを思い出すよ」
「私がこういうことを言うのは初めてのことだ。私はアイルトンとはすごく親しくしていたし、私は彼が最高だったと思っているからね」
「人格やドライビング、結果や準備の仕方など、彼(セナ)はほかの誰とも違っていた」
「私はそれを常に大事に思ってきたし、比較することは避けてきた。だが、マックスに関しては、比較しないでいることは難しいね」
■フェルスタッペンはすでに“別格”
「あれはものすごかった」
ブラジルGP決勝でのフェルスタッペンの走りについてそう語ったベルガーは、次のように続けた。
「彼は常に新しいラインを試していた。セーフティカーに先導されているときでさえ、彼はサーキットを研究していたんだ。ほかのチームのエンジニアたちも自分たちのドライバーに彼のまねをしろと伝えていたほどだよ」
「彼は自分がやるべきことがはっきりと分かっていたんだ。それは彼の年齢からすればものすごいことだよ。彼は不可能なラインを探して見つけたんだ。それによって、ほかのドライバーたちはまるで小学生のように見えてしまった」
「ストレートで起きたこと(スピン)を見ても分かるが、彼のクルマのコントロールは素晴らしかったよ」
フェルスタッペンに関しては、あまりにもごう慢な走りをすることが多いという批判もある。だが、ベルガーはそれについて次のように語った。
「彼のようなドライバーだからこそ、そういうこともできるのさ」