2人の元F1ドライバーが、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は次戦F1ブラジルGP(13日決勝)にはそこで初タイトル獲得を決める覚悟で臨むべきだと語った。
第18戦アメリカGPと続く第19戦メキシコGPは、チームメートでありディフェンディングチャンピオンのルイス・ハミルトンが2連勝を飾り、ロズベルグとのポイント差を縮めることに成功した。
しかし、そのレースでいずれも2位でフィニッシュしたロズベルグは現時点で19ポイントのリードを保っており、来週行われるブラジルGPで優勝すれば、ハミルトンの順位に関係なくそこで念願の初タイトル獲得が決定することになる。
だが、仮にブラジルでハミルトンが優勝してもロズベルグがまた2位でフィニッシュできれば、最終戦アブダビGP(27日決勝)には3位以上でタイトル確定という有利な条件で臨むことが可能となる。
■メキシコではロズベルグがリスクを避けていたとベルガー
元F1ドライバーであり、今年はロズベルグの代理人としてメルセデスAMGとの契約延長交渉に臨んだ経緯もあるゲルハルト・ベルガーは、ロズベルグがメキシコでは大きなポイントリードを背景に戦略的なレースを展開していたのだと見ている。
「私はニコがメキシコではリスクを負いたくないと考え、危険を避けていたのだと思っている」
■ロズベルグはブラジルで勝ちにいくべき
ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』にそう語ったベルガーは、次のように続けた。
「だが、これからは彼が勝利すれば、そこですべてを決することができる。私なら、ブラジルでそれを手に入れようとトライするだろうね」
「そのためには、もう失うものはないハミルトンに対してアグレッシブなドライビングをすることになる」
■ハミルトンに相性が悪いブラジルがチャンス
1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブも、ロズベルグはアブダビでの最終戦を待つことなく、ブラジルで初タイトル獲得を決めるために戦うべきだと考えている。
「ニコはポールをとり、スタートで勝つことが必要だ」
そう語った45歳のビルヌーブは、次のように付け加えた。
「そして、彼(ロズベルグ)はブラジルでのこれまでの統計数値をうまく利用する必要があるよ。ハミルトンはあそこでまだ一度も勝てていないからね」
ハミルトンはマクラーレン時代の2012年に一度ブラジルGPでポールポジションを獲得しているが、いまだインテルラゴス・サーキットで勝利を飾ったことはない。一方、ロズベルグは2014年と2015年に2年連続でポール・トゥ・ウィンを達成している。
しかし、仮にタイトルのゆくえが最終戦のアブダビに持ち越された場合、ハミルトンはアブダビでこれまでに2勝をあげているのに対し、ロズベルグは昨年あげた1勝だけとなっている。
こうした過去の実績を見れば、確かにベルガーやビルヌーブが言うように、ロズベルグとしてはブラジルで一気に勝負を決める意気込みで臨むべきかもしれない。
ロズベルグがブラジルGP3連覇を達成して最終戦を待たずして初タイトル獲得を決めるのか、あるいはハミルトンが勝利してタイトル3連覇の望みを最終戦つなげることができるのかに興味が持たれるブラジルGP決勝は日本時間14日(月)午前1時にスタートする。