セバスチャン・ベッテルはフェラーリにとって「大事な存在」だと元会長のルカ・ディ・モンテゼモーロが語った。
2016年シーズンはチャンピオン争いどころか優勝もないフェラーリとベッテルに対して、イタリアメディアは「危機的」だと報じ、ベッテルは契約が切れる2017年末でフェラーリを去るのではないかという憶測まで出ている。
■契約交渉より重要な仕事があるとベッテル
F1アメリカGP(23日決勝)を前に、契約延長に向けた交渉が始まると思うかと聞かれたベッテルは、次のように答えた。
「今、僕たちはかなり忙しくしている。残された4レースに集中しているし、特に来年に向けた準備に力を注いでいる」
「僕の契約のようなディテールに目を向けることは、あまり重要じゃないと思う。来年は何も問題ないんだからね」
■現会長のやり方に批判的な元会長
今年フェラーリが失速した原因は、会長のセルジオ・マルキオンネが開幕戦から優勝すると宣言するなど、チームにプレッシャーをかけすぎたためだという見方もある。
モンテゼモーロも同じ考えだ。ドイツのテレビ局『RTL』のインタビューで次のように語った。
「F1では、明日すぐに勝てるわけではないと謙虚に受け入れる態度が必要だ」
「できると確信しているのでないのなら、勝つと宣言するべきではない」
「必要なのは忍耐だ。状況を改善するようスタッフを支援しなければ。スタッフを信頼して、スタッフが目標を達成できるように最高の環境を提供する必要がある」
■ベッテルの前向きな態度を評価
一方、ベッテルについてはモンテゼモーロは高く評価している。
「初めて会ったときから、彼の心の中にフェラーリが息づいていることが見て取れた」
「困難な時期にもあれほど前向きなドライバーは、今のスクーデリアにとって大事な存在だ」