今季のF1も残り4レースとなったが、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグが初のタイトル獲得を達成する可能性が非常に高くなってきている。
■すべて2位狙いでもOKのロズベルグ
現時点でロズベルグはチームメートのルイス・ハミルトンに33ポイントの差を付けており、これは普通に考えれば逆転は非常に難しい差だと言える。仮にハミルトンが残りの4レースですべて優勝を飾っても、ロズベルグは2位3回、3位1回以上の成績を残せば、タイトルは自分のものになるわけだ。
ロズベルグにとって怖いのはマシントラブルだということになりそうだが、圧倒的とも言えるリードを手にしているロズベルグは、残りの4レースではリスクをさけて2位狙いのレースをするという作戦も取れる状態だ。
■これからも攻めていくとロズベルグ
だが、ロズベルグ自身は本当にタイトル獲得が確定するまでは自分のドライビングスタイルを変えるつもりはないと次のように語った。
「僕はまだ同点だというつもりでレースをするよ」
「サッカーでは、リードしているチームが最後までそれを守ろうとしてもうまくいかないものだよ。それに、ときとしてそれが相手に反撃のチャンスを与えることにもつながるんだ」
■相性のいいオースティンで巻き返せるかハミルトン
一方、F1タイトル3連覇と自身4度目の戴冠(たいかん)を狙うハミルトンとしては、ゲンのいいオースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで反撃の糸口をつかみたいところだ。
アメリカGPが2012年からサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われるようになってから今年で5回目を迎えるが、これまでの4年間ではハミルトンが3勝をあげている。特に、昨年はここで優勝してタイトル獲得を決めたというげんのいいサーキットだけに、まずはここでポイント差を縮めてロズベルグにプレッシャーをかけたいところだ。
■絶体絶命のハミルトンだがあきらめたりはしないはず
だが、元F1ドライバーであり、現在はドイツのテレビ局でF1解説者を務めるマルク・スレールは、今年はこれまでと同じようにはいかないかもしれないと考えている。
「(今年の)ロズベルグは、普通ならハミルトンのほうがうまくやれると思われていたレースで勝ってきている。だからテキサスでも彼にはそのチャンスがあるはずだ」
「今言えることは、ルイスは残りの4レースで全勝することが必要だということだ。そうできなければ、彼はもうタイトルのことは忘れることができる。それに加えて、彼はロズベルグがすべて2位で終わることがないよう期待し、ロズベルグが何か不運を抱えることを期待しなくてはならない」
そう語ったスレールだが、それでもチャンスがあるうちはハミルトンがあきらめることはないだろうと次のように付け加えた。
「だが、私はルイスが全力を尽くし、あきらめるようなことはないだろうと確信しているよ」