元F1ドライバーのステファン・ヨハンソンが、2017年にはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がかなりのアドバンテージを有することになるだろうと語った。
■2017年仕様タイヤテストをキャンセルしたハミルトン
先週の12日(水)と13日(木)の2日間にわたって、メルセデスAMGがスペインのバルセロナでピレリの2017年仕様幅広タイヤの試作品でテスト走行を行った。
あいにく、天候が悪化したことで、本来予定されていたドライタイヤでのテストは十分に行うことができず、雨用タイヤでのテストが中心とはなったものの、12日にはニコ・ロズベルグ、13日にはメルセデスの契約下にあるマノーのパスカル・ウェーレインによって合計91周のテスト走行が行われた。
本来、13日にはルイス・ハミルトンがテストを担当することになっていたが、足に痛みを感じたという理由により大事をとって急きょウェーレインがピンチヒッターを務めていたものだ。
■現役ドライバーからのフィードバックを期待しているピレリ
F1公式タイヤサプライヤーであるピレリは、2017年仕様タイヤのテストには控えドライバーやテストドライバーではなく、現役で実際にレースに出ているドライバーに参加して欲しいと各チームに要請している。実際に今のF1レースで戦っているドライバーならではの生きたフィードバックを得たいというのがその狙いだ。
だが、この2017年仕様タイヤテストにはメルセデスAMG、レッドブル、フェラーリの3チームが参加しているが、実際には控えドライバーが担当するケースもあり、なかなかピレリの思惑通りには進んでいないようだ。
■積極的にテスト参加するベッテルが有利に
そんな中、フェラーリのセバスチャン・ベッテルはできる限り2017年タイヤの感触をつかもうと、積極的にテストに参加する姿勢を見せている。
1980年代を中心にマクラーレンやフェラーリなどで活躍したヨハンソンは、そうしたベッテルの姿勢は非常に賢いものだと自身のブログの中で次のように語っている。
「これによって来年彼(ベッテル)がアドバンテージを得られることを保証するよ」
「来年のタイヤが、かなりの部分において彼から得た情報をベースとして製造されるであろうことは疑いの余地がないからね」
「彼はものすごく賢いやり方をしているよ。テストするチャンスが与えられているにもかかわらず、そのために時間を使おうとしないほかのドライバーたちは信じられないほどのばかものだね」
■ミハエル・シューマッハもテストをチャンスだと位置づけていた
そう主張したヨハンソンは、次のように付け加えている。
「それはまさにミハエル・シューマッハがやったことだよ。行うべきテストがあるときは彼は必ず参加したし、それ以外にもやっていたよ」