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【WEC】ポルシェ、富士山の麓で世界選手権レースへ挑む

2016年10月12日(水)16:35 pm

ポルシェは、919ハイブリッドで10月14日~16日に富士スピードウェイで開催されるFIA世界耐久選手権(WEC)の第7戦に参戦する。

■ポルシェ、タイトル防衛へ重要な一戦

この6時間耐久レースは、ポルシェにとってタイトル防衛と言うミッションに向けた重要なレースとなる。919ハイブリッドによるル・マン24時間などの勝利によって、ポルシェは世界選手権のマニュファクチュアラー部門において238ポイントを獲得し、アウディ(185ポイント)およびトヨタ(137ポイント)をリードしている。

■ドライバーランキングでも首位、日本で決定の可能性も

また、ドライバー部門では、ロマン・デュマ(フランス)/ニール・ジャニ(スイス)/マルク・リーブ(ドイツ)が130ポイントで首位を走っている。このトリオは、アウディのドライバー達に37.5ポイント差、続くトヨタに38ポイント差をつけている。優勝ドライバーには25ポイントが与えられるため、計算上、日本でタイトルが決定する可能性もある。

もう1台の919ハイブリッドのドライバー、ティモ・ベルンハルト(ドイツ)/ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド)/マーク・ウェバー(オーストラリア)組は直近の3レースで優勝し、ドライバー部門で一気に4位(78.5ポイント)へ浮上した。

■富士はセッティングが難しい

絵に描いたような富士山の麓にある富士スピードウェイは、セッティングを出すのが非常に難しいサーキットだ。1.5 kmの長いストレートでは、空気抵抗を最小限に抑える必要がある。一方、1周4.549 kmの短いサーキットに設けられた16個の非常にタイトなコーナーでは、ダウンフォースが必要だが、WECでは空力関係の変更が制限されている。このサーキットに合わせた厳密なチューニングは困難で、その上、トップカテゴリーであるル・マン・プロトタイプ1(LMP1)における争いは熾烈を極め、ほんのわずかな優劣が勝敗を分ける。

■ポルシェ、合計900馬力オーバー

ヴァイザッハで開発されたポルシェ 919ハイブリッドは、システムの総合計で900 PS(662 kW)を超えるパワーを発揮する。

内燃エンジンは、革新のライトサイジングエンジンだ。約500PS(368 kW)を発生するきわめてコンパクトなターボチャージャー搭載2リッターV4ガソリンエンジンが後輪を駆動する。

フロントブレーキおよび排気のエネルギーを利用する2系統のエネルギー回生システムは電力をリチウムイオンバッテリーにストックし、これによりフロントアクスルを駆動、400 PS(294 kW)を超えるブーストを供給している。

■LMP1担当副社長フリッツ・エンツィンガー「世界選手権タイトルの防衛は射程内」

「LMP1では、息を飲むような戦いが展開されています」

「前回のオースチン戦では、マニュファクチュアラー部門で競う3社すべてが表彰台を獲得しました。全体的に見れば、サーキットの気温の変化だけでも決定的なパフォーマンスの差につながります。また、より速いプロトタイプがGTカーをオーバーテークする際に避けることのできないトラフィックもリスクと言えます。

ポイントスタンディング上では、両方の世界選手権タイトルの防衛は射程内です。しかし富士を含む残り3レース、計18時間におよぶ戦いでは何が起こっても不思議ではありません」。

■チーム監督アンドレア・ザイドル「どんな天候にも対処できる」

「一般的にいえば、前回のオースチン戦より富士では気温が下がるので、私達にとって好材料です。また、比較的ダウンフォースが大きい919は、このサーキットの難しさでもあるコーナーでは強さを発揮するはずです。2015年の富士では、激しい雨に見舞われました。季節がら、今年も十分に起こり得ることですが、我々は困難な状況にも対処できることを証明してきました」。

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