今季F1タイトル3連覇と自身4度目のタイトル獲得を目指すルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が、今シーズンの残り5レースについてフリー走行への出走を見合わせるかもしれないと示唆した。
■23ポイント差に広がったロズベルグとの差
先週末にセパン・インターナショナル・サーキットで行われたF1マレーシアGP(第16戦)でまたもパワーユニットトラブルに見舞われてリタイアを余儀なくされたハミルトンはレース後に怒りをあらわにしていた。どうして自分だけにこう何度も信頼性の問題が発生するのかが分からないというのがその理由だ。
マレーシアGP後、タイトル争いのライバルであるチームメートのニコ・ロズベルグとの差が23ポイントに開いてしまったハミルトンは、今週母国イギリスのメディアに次のように語った。
「ポイント差が開いていたときもあったけれど、この時点ではもう最悪の状態だよ」
■当てが外れたベルギーでの複数ユニット投入
今シーズン前半にも度重なるパワーユニットトラブルを抱えていたハミルトンは、シーズン後半最初のレースであった第13戦ベルギーGPにおいて複数の新スペックユニットを投入し、そこでまとめてグリッド降格ペナルティーを受けることで残りのレースをトラブルフリーで乗り切るという作戦を取っていた。
ところが、それにもかかわらずマレーシアではこれまでには見られなかった派手なエンジンブロウでリタイアに終わるという事態を迎えてしまった。このレースでは終盤までトップを快走し、タイトル争いのライバルであるチームメートのニコ・ロズベルグがスタート直後のクラッシュにより順位を下げていたことでランキング再逆転が視野に入っていただけに、ハミルトンの落胆ぶりは非常に大きいものだった。
■パワーユニット温存策でフリー走行回避も
「この時点での僕が考えているのは、僕は2つのエンジンを持っているけれど、それを最後までもたせるようにやれることはすべてやるということだよ」
スペインの『AS』にそう語ったハミルトンは、次のように付け加えた。
「もし、そのためにはセッション(フリー走行)をやってはならないというのであれば、僕はセッションをするつもりはないよ。レースで完走するためなら、僕は何でもやるつもりさ」