メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダが、F1公式タイヤサプライヤーであるピレリの要請に基づいてヨーロッパよりも温暖なバーレーンのような場所で来季のシーズン前テストを行うようほかのF1チームたちにも働きかけるつもりだと語った。
■シャシーもタイヤも大きく変わる2017年
2017年から現在のものとは大きく違う幅広タイヤが導入されることが決まっているF1では、ピレリが用意した2017年用試作タイヤでの走行テストを現在メルセデスAMG、レッドブル、フェラーリの3チームが分担して行っている。
だが、現在そのテストに使用されているF1カーは昨年型マシンを一部改良したものであり、来年からサイズや空力仕様などが大きく変わるシャシーで実際にそのタイヤを走らせる機会はシーズン前公式テストまで待たなくてはならない。
ピレリでは、これまでのようにまだ寒い時期のヨーロッパでテストを行うだけでは不十分であり、バーレーンのような暖かい場所でテストを行うことも必要だと訴えている。だが、F1チームたちは予算の関係などもあってヨーロッパ外でのテスト実施には消極的だ。
■温暖な地でのテストは必須だとラウダ
しかし、かつて3度F1王座についた元F1ドライバーでもあるラウダは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語っている。
「新しいクルマとタイヤのテストをヨーロッパだけで実施するなど狂気のさただよ」
「もし雨が降ったらどうするつもりだい?」
だが、来季のシーズン前テストをヨーロッパ以外の地で行うためには全チームの賛同が必要となるため、ピレリやラウダの意見がすべてのチームに受け入れられるかどうかはまだ分からない状況だ。