ピレリは、今シーズン中に構造を変更したタイヤを導入する計画だったが、これを断念した。
この変更は、縁石など外部からの衝撃に強くするためだった。シーズン中の変更には全チームの合意が必要なため、F1第13戦ベルギーGPと第14戦イタリアGPのフリー走行で、新しい構造のプロトタイプタイヤを各チームがテストした。
「残念ながら、さまざまなチームから提供されたデータにはばらつきが見られた」とピレリのマリオ・イソラは話している。
「そのため、シーズン末まで現在の仕様で続けることを決めた。(プロトタイプタイヤは)グリップが低い、少なくとも通常のソフトタイヤよりグリップレベルが低いという不満がいくつかのチームから出た」
「あわせて、現在の仕様でも何も問題はないということを強調しておきたい」とイソラは付け加えている。
■2017年向けテストの課題はダウンフォース
2017年から車両規格が変更になり、ダウンフォースが大幅に増え、タイヤも幅が広くなる。この変更に向けて、ピレリは、フェラーリ、レッドブル、メルセデスAMGの3チームと組んでテストを行っている。
このテストで使用しているのは、想定されるダウンフォースを生み出すように手を加えた2015年のF1カーだが、イソラはダウンフォースが不十分だと話している。
「問題は、新しいタイヤの開発に必要なダウンフォースに届いていないことだ」
「各チームは、来年のグリップレベルにしようと取り組んでいる。現状では、来年目にするものをシミュレートできるほど、きちんとタイヤに荷重をかけられていないためだ」
■2017年タイヤをテストしたライコネンは
レッドブルの2017年タイヤテストを担当したセバスチャン・ブエミは、来年のF1カーにドライバーは恐れおののくかもしれないと話している。
一方、フェラーリでテストしたキミ・ライコネンは、『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』に次のように話している。
「タイヤは開発の途上に過ぎない。来年の新車につける頃には間違いなく良くなっているはずだ」
「そうすれば、違いにはっきり気付くと思うよ」