2009年のF1チャンピオンであるマクラーレン・ホンダのジェンソン・バトン(36)が、これ以上F1タイトルを取れないままで引退することになってもそれで満足だと語った。
F1イタリアGP(第14戦)が行われたモンツァで2017年には出走しないことを明らかにしたバトンだが、条件が整えば2018年に再びF1グリッドに戻ってくる可能性を残している。
■来年は日本でGT参戦も?
来年はマクラーレンのアンバサダー的役割を担うとともに開発作業の支援なども行うことになっていると伝えられているバトンだが、今週末のF1シンガポールGP(18日決勝)を前に、来年は日本のGT選手権か、あるいはラリークロスでスポット的にレースをする可能性もあるとほのめかしたと伝えられている。
シンガポール入りしたバトンは、地元の『Straits Times(ストレーツ・タイムス)』に次のように語った。
「F1のスケジュールにしばられずに1年を過ごしたいんだ。友人や家族とももっと多くの時間を一緒に過ごしたいしね。そして自分の好きなこともやりたいと思っている。トライアスロンなどをね」
「問題はこれまでずっとF1中心の生活を送ってきたことだ。グランプリの後は回復あるいは準備に充てることがすべてだった。だから来年は自分の人生に何かほかのことが必要になるよ」
■ハッキネンよりはプロストに近い状態
バトンはさらに、来年は1年間F1を休むことになるが、その状態はミカ・ハッキネンよりはアラン・プロストのケースに近いものだと語った。
ハッキネンは2001年シーズン終了後に翌年は1年間F1を休むと発表したものの、結局復帰することはなかった。しかしプロストは1991年シーズン後に当時所属していたフェラーリを離脱し1年間F1から離れたものの、1993年にはウィリアムズで復帰を果たしてその年に通算4度目のF1タイトルを獲得している。
■2度目のF1タイトルが取れなくても後悔はない
だが、バトンは仮に2回目のF1タイトルを取ることができなくても自分のキャリアには満足していると次のように付け加えた。
「子供のときの夢はF1でタイトルを取ることだったし、その目標には手が届いた。もちろん、もっと勝ちたいとは思っているよ。だけど不満を抱えたまま引退することにはならないだろうね」