F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、『BBC』の自動車関連番組『Top Gear(トップ・ギア)』に対し、現在のF1勢力図やアメリカの大統領選などについて語った。
■大規模自動車メーカーが支配するF1に懸念
エクレストンはまず、メルセデスAMG最強時代が続いている現在のF1には懸念を感じており、特にメルセデスがライバルであるレッドブルへのパワーユニット供給を拒んだことは問題だった考えていることを認めた。
現在、ちまたではメルセデスのモータースポーツ責任者であるトト・ヴォルフとエクレストンの関係がかなりぎくしゃくしてきているようだと言われており、中にはヴォルフがエクレストンの後任の座を狙っているのではないかとのうわささえある。
だが、エクレストンはその件に関して次のように答えた。
「彼がそうしようとするのなら私はすごくうれしいよ。あるは、ほかの誰であってもね」
■メルセデスがフェラーリを支援していた
2016年シーズンを迎えるにあたり、メルセデスがフェラーリに対して自分たちとの差を縮められるように支援を行ったようだとの憶測がささやかれたことがあったが、これに関してエクレストンはそのうわさは事実だと次のように語った。
「私は、彼ら(メルセデスAMG)がフェラーリにもう少し競争力をつけて欲しいと考えていたのだと思っている。そしてフェラーリも自分たちが得た情報に満足していたよ。メルセデスAMGから多くの情報を得たのだからね」
■トランプが大統領選に勝つほうが世界にとって好ましい
一方、以前から何かと悪評の高いロシア大統領ウラジーミル・プーチンの支持者であることを自ら公言してはばからないエクレストンだが、今度はアメリカの大統領候補であるドナルド・トランプを応援したいと次のように語った。
「もし彼(トランプ)が勝てば、それは世界にとってよいことだよ」
「トランプなら間違いなくプーチンと親しくしたいと思うだろうし、彼がそうするのは正しいことだ。そのほうが世界のためになるだろう」
■F1商業権を手放したことに後悔
さらに、エクレストンはかつて自らが有していたF1商業権を他者に譲ってしまったことが今となっては最も悔やまれると次のように語った。
「彼女(前妻のスラビカ)がそれをすべて信託に委ねてしまったんだ。そして信託は株式を売却してしまった。もし時間を巻き戻せるものなら、私が今でも会社を完全に所有できていただろうと思うよ」
「多分、あれはいい判断ではなかっただろう。だがそのときはああいう決断をするしかなかったんだ。そうしたことに満足しているかと聞かれればノーだがね」とエクレストンは付け加えた。