フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)が、2014年シーズン末に離脱することを決めた前所属チームのフェラーリに対して悪感情などは持っていないと主張した。
それまで5年間在籍していたフェラーリを離れ、2015年からスタートしたマクラーレンとホンダによる新プロジェクトに加わることを決めた当時、アロンソはこのままフェラーリでずっと2番手で終わるよりも、新たなプロジェクトを立ち上げたほうがよいと思ったのだと語っていた。
■フェラーリで続けてもタイトルは取れなかった
そのアロンソは、最近ブラジルの『UOL Esporte(ウニヴェルソ・オンライン・エスポルチ)』に次のように語った。
「僕があそこ(フェラーリ)にいた時は、素晴らしい時を過ごしたよ」
「僕たちはF1タイトルを争っていた。チームはすごく強かったし、満足していた」
「だけど、僕は離れるべき時だと感じていたんだ。2015年と2016年も残留していたら、僕は6年目と7年目もメルセデスAMGの後ろで過ごしていたはずだ。そして僕はもっと素晴らしい時を迎えたいと思っていた。苦痛に満ちた時ではなくてね。それは自分で決めたことだった」
■今後もフェラーリは勝てるチームにはなれない?
ともあれ、アロンソとしてはそのままフェラーリにいても結局F1タイトル獲得の望みは達成できないと感じたことがチーム移籍の動機となっていたのは確かだろう。そして、フェラーリのそういう状態は今も変わっていないかもしれない。
実際のところ、アロンソの後任としてレッドブルからフェラーリへと移籍したセバスチャン・ベッテルも、ミスなども多く、なかなか勝てない今季のフェラーリにすでに愛想をつかし始めているようだと見ている者もいる。
元F1ドライバーであり、現在はテレビのF1解説者を務めているマルク・スレールは『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。
「セバスチャンにはフェラーリが勝てるクルマではないということを受け入れていない。だから、そこにミスが忍び寄ってくるんだ。一方、キミ(ライコネン)はただ自分にできることをやっている。そして、時として彼のほうが速いこともある」
■2017年には様相が変わる可能性もあるとアロンソ
実際のところ、今季メルセデスAMGを追い詰めるどころか、逆にレッドブルにコンストラクターズランキングを逆転されたフェラーリは現在危機的な状態にあると考えているメディアや評論家も少なくない。しかも、8月には技術トップの座にあったジェームス・アリソンも離脱するなど、今後に向けて不安材料がさらに増えていると考えられている。
だが、アロンソの見方は少し違うようだ。
「外部から見て軽々しくどうこう言えるものではないよ」
「僕は、今年の彼らは昨年よりもよくなっているし、競争力もアップしたと思うよ。昨年は彼らも表彰台に上っていたけれど、すでにメルセデスからは150ポイントも離されているのはまずいね」
「だけど、誰にとってもメルセデスAMGと戦うのは難しいものだよ。それはフェラーリだけの問題じゃないんだ。レギュレーションが変わってからというもの、メルセデスAMGは非常に大きなアドバンテージを持っている。だから、来年またルールが変われば、また力関係が変わってくる可能性もある」
そう語ったアロンソは、次のように締めくくっている。
「僕はフェラーリがまた強くなるはずだと確信しているよ」