8月に入ってから2017年から導入される幅広F1タイヤのテストが開始されている。すでにフィオラノとムジェロの2サーキットによるテストは終了し、今後バルセロナ、ポールリカール、アブダビでもテストが行われる予定になっている。
■バーレーンでのシーズン前テストを希望するピレリ
だが、F1公式タイヤサプライヤーであるピレリでは、実際にシーズンが始まる前にもっと暖かい地域でテストを行うことを希望しているようだ。
今年はスペインのバルセロナでシーズン前テストが行われたが、同社のモータースポーツ責任者を務めるポール・ヘンベリーがシーズン前にバーレーンでテストを行うことが「理想的」だと語ったと伝えられている。
■コスト増加を避けたいF1チームも
だが、F1チーム関係者の中にはテストのためにわざわざヨーロッパを離れてバーレーンまで行く必要はないだろうと考えている者も少なくないようだ。
「改造が施されたクルマでのテストが何度かアブダビで行われることになると思うし、あそこはいつも暑かったよ」
そう語ったフォース・インディアのオットマー・サフナウアー(チームCOO)は、次のように付け加えた。
「ピレリがすべてのデータを平等にシェアしてくれる限り、我々はそれで満足できるし、そのタイヤで冬のテストを開始しても問題ないはずだよ」
■温暖な場所のほうがメリットが大きい
だが、こうした意見に対し、ヘンベリーは『UOL(ウニヴェルソ・オンライン)』のF1専用サイトである『Grande Premio(グランジュ・プレミオ)』に次のように語った。
「タイヤメーカーの観点からすれば、その時期(開幕前公式テスト)には暖かい場所へ行くほうが好ましいと考えているんだ」
「最近ではバーレーンでテストを行ったこともあったが、そこではタイヤのパフォーマンスに関する明確な指標を得ることができていたからね」
そう述べたヘンベリーは、次のように付け加えた。
「チームがそうするのは財政的に厳しいと考えていることは理解している。だが、我々がやっているのは何億ドルもが費やされるスポーツだ。バーレーンでのテストはシーズンにどう臨めばよいのかということが分かる大きなステップになると思うよ」