マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソが、2017年に導入される新F1ルールへの期待感を現した。
■新ルールの背景と疑問
2014年に現在のパワーユニット導入を含め、大きくルールが変更されていたF1。だが、そのルールによるF1カーは当初スピードが遅く下位カテゴリーのクルマにも劣ると言われていた。
このため、もっと速いF1への復帰をめざし、2017年からは幅広タイヤの復活とともにシャシーにも大きな変更が加えられることになっている。
だが、2014年にはかなりラップタイムが低下したF1だが、同じレギュレーションで3年目を迎えた今年はラップタイムが飛躍的に改善されてきている。こうした状況の中、また2017年に大きくルールを変える必要があるのかという疑問が出てきているのも確かだ。
■すべては来年のF1カー次第だとアロンソ
だが、昨年からマクラーレン・ホンダのプロジェクトに加わったアロンソは、2014年に現在のルールが導入されて以降というもの、F1カーでレースをすることが以前ほど楽しめていないことを隠していない。現在マクラーレン・ホンダとの間に2017年までの契約を交わしているアロンソは、2018年以降も自分がF1にとどまるかどうかは2017年の新ルールによるF1カー次第だと以前から語っている。
そのアロンソはその、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、次のように語っていた。
「来年にはよく吟味することになるよ」
「大事なことは、僕がまた楽しめるかどうかなんだ。2017年には、クルマが以前のように速くなるのかとか、またタイヤや燃料をセーブし続けなければならないのかというような質問に対する答えが得られるはずだからね」
■2017年の新ルール導入が非常に重要
もちろん、アロンソは新ルールによってマクラーレン・ホンダが圧倒的な強さを誇るメルセデスAMGを打ち負かすことができるようになることを期待しているわけだが、それが簡単なことではないこともよく分かっている。
「僕たちにはもっとパワーが必要だよ」
そう語ったアロンソは、次のように続けた。
「仮にホンダがメルセデスに匹敵するパワーを出せていたとしても、それだけでは十分ではなかったと思う。メルセデスAMGはパッケージ全体が非常に優れているからね」
「だからこそ、F1が新しいレギュレーションを導入することがすごく重要なんだ」
■新ルールによって新たな希望も
だが、F1関係者の中には、新たなルールを導入すれば、それによってまた現在のメルセデスAMGのように独走するひとつのチームが出現する可能性が高いだけであり、そうであれば、差が縮まりつつある現在のルールを維持したほうがよいだろうと考えている者もいる。
そうした意見に対し、「それはどうなるか分からないね」と語ったアロンソは次のように続けた。
「だけど、それによってみんなに希望が与えられることになる。そうでなければ、メルセデスAMGが有利な位置にい続けるだけになるだろうね」
■未来はマクラーレン・ホンダにあり
さらに、アロンソは2014年シーズン限りで5年間在籍したフェラーリを離脱することを選択したことを後悔などしていないと主張した。
「(フェラーリを)離れるべき時だったんだ。僕にはあれ以上できることはなかったからね」
そう語ったアロンソは、次のように締めくくった。
「(フェラーリを)悪く言っているわけじゃないよ。フェラーリは素晴らしいチームだし、僕もあそこで素晴らしい日々を過ごした。だけど、将来に目を向ければ、メルセデスAMGかマクラーレン・ホンダのどちらかにいることが必要なんだ」