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「ハロー」の導入延期に議論噴出、GPDA「後悔しないことを祈るしかない」

2016年07月31日(日)18:01 pm

ドライバーの頭部を保護する「ハロー」の導入が2018年に延期されたことに批判の声が上がっている。

ハローの導入が延期された最大の理由は、ドライバーによるテストが不十分なことだ。これまでのところ実際にハローを装着してテストしたのはフェラーリとレッドブルだけで、いずれの機会も1周だけの走行だった。

■延期を「後悔する日が来ないことを祈る」とブルツ

ハローの導入延期に、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)会長で元F1ドライバーのアレキサンダー・ブルツは不満をあらわにしている。

「ほんの1週間前のプレゼンテーションで、FIAの安全性に関する専門家は、この解決法(ハロー)は史上最も調査を重ねた安全装置で、準備は整っていると言っていた。それなのにこれでは、コミュニケーションに問題があるということになってしまうね」

「決定に驚いているし、このことをひどく後悔する日が来ないことを祈るばかりだ」

■ドライバーの意見も対立

ドライバーの間でもハローに対する意見は分かれている。

ジョリオン・パーマー(ルノーF1)は、ドライバーのほとんどがハローに反対だと主張し、ハロー導入を推すセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)やジェンソン・バトン(マクラーレン)と対立している。

「ドライバーに聞けば、反対の人数は今も多いよ。ウソじゃない」とパーマーは話す。

■格納型も提案される

ハローではなく、センサーで障害物の接近を感知して起動する格納型の保護装置も選択肢に上っていると伝えられている。

しかし、F1競技委員長のチャーリー・ホワイティングは、このテクノロジーに懐疑的だ。

「個人的には、それはまったく非実用的だと思う」

「開発にさらに3年必要になるような完全に新しいものを試すより、この道(ハロー)を進むほうが良いだろう」

■全ドライバーによるテストが必要

レッドブルは、ドライバーの視野を撮影する装置を取り付けてハローのテストを行った。その映像を見たホワイティングによると、視界はル・マンのプロトタイプより良かったという。

しかし、レッドブルのテストドライバーであるピエール・ガスリーは、ハローをテストした際に「閉所恐怖症のような感じ」を受けたと話しており、ドライバーによるテスト走行を増やすことが不可欠だとホワイティングは説明している。

「1年の最初にこうしたものを使い始めて、視認性に根本的な問題が見つかったら、非常に困ったことになるだろう」

「われわれのねらいは、今年末までに全ドライバーがフリー走行の最初から最後までこれを試す機会を必ずもつようにすることだ」

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