フェラーリは27日(水)、これまでテクニカルディレクターを務めていたイギリス人エンジニアのジェームス・アリソンがチームを離脱することを正式に発表した。
今年、妻の病死という悲しい出来事が起こったアリソンに関し、子供たちとの生活を優先するため、母国イギリスに戻ることを希望しているようだと報じられていた。
また、今季予想外の低迷を強いられたフェラーリが、組織の見直しの一環としてアリソンを更迭するかもしれないとのうわさもささやかれていた。
アリソンは1990年代序盤にベネトンの空力部門でF1でのキャリアを開始。以後、ラルースやフェラーリを経て、再び古巣に復帰。その後ロータスと名前を変えたチームに2013年シーズン序盤まで在籍していたが、同年9月に再びフェラーリに加入し、2014年のチーム改革を経て技術トップの座に就いていた。
現在ささやかれているうわさによれば、ロータスを買収したルノーに再び復帰するのではないかと言われている。
■後任はマッティア・ビノット
なお、フェラーリではアリソンに代わって、これまでパワーユニットディレクター職にあったマッティア・ビノットがチーフ・テクニカル・オフィサーに昇格することも併せて発表している。
フェラーリが出した声明の中で、チーム代表のマウリツィオ・アリバベーネとアリソンは次のように語っている。
■マウリツィオ・アリバベーネ(チーム代表)
「チームは、共に過ごした期間においてジェームスが示した忠誠と、払ってくれた犠牲に対して感謝したい。彼が今後ますます活躍するとともに安らぎを得られるよう祈っている」
■ジェームス・アリソン(前テクニカルディレクター)
「フェラーリでは数年にわたって2つのステージで異なる役割を担いながらフェラーリで過ごしたが、その中でチームや、女性、男性を問わずそこに属する人たちと出会うことができ、その素晴らしさを知ることができた。プロとして、人間として、素晴らしい経験を分かち合うことができた彼ら全員に感謝したい。全員が成功に恵まれた幸せな未来を迎えることができるよう祈っている」