無線などを使ったチームからドライバーへの指示を制限するルールがいっそう厳しくなった。
F1第10戦イギリスGPでは、マシントラブルへの対処方法をチームが無線で指示したとして、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)に10秒加算のペナルティーが科された。
これを受けて、F1を統括するFIA(国際自動車連盟)はルールを変更した。ピットレーンでは情報提供を自由にし、レース中にマシントラブル等の情報をドライバーに伝える際は必ずピットインするか、さもなければリタイアしなければならないとした。
ルールはハンガリーGP(24日決勝)から適用される。
■分かれる反応
メルセデスAMGのエンジニアは、「以前よりルールが明確になった。もう議論は起きない。ピットレーンでは好きなことを言える」と歓迎している。
一方、ウィリアムズのパット・シモンズはFIAの対応に驚いている。『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「われわれは無線規制の緩和を求めたのに、FIAは何をした?」
「彼らはルールをいっそう厳しくしたんだ」
■コスト増加も
フォース・インディアのチームマネージャーを務めるアンディー・グリーンも、FIAの対応に困惑している。
「シルバーストン(イギリスGP)のあと、無線をすべてチェックした。すると、ほかにも罰されるべきケースが15個以上あった」
また、これでコストが増加するとグリーンは『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に話している。フォース・インディアは、トラブルの際に対処方法がステアリングのモニターに自動的に表示されるよう、ソフトウェアの変更に取り組んでいるためだ。
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、無線規制そのものを「くだらない」と切り捨てている。