ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグがレース中に接触した場合、チームオーダーや出場停止もあり得ることをメルセデスAMGビジネス部門のエグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフが認めた。
度重なる同士打ちを受け、メルセデスAMGはチームメート同士で接触した場合の罰則を厳しくし、それをF1イギリスGP(10日決勝)前にドライバーに伝えていた。
■罰則には出場停止も含まれる
罰則の内容について公表はしないとしていたヴォルフだが、チームオーダーや出場停止もあり得るのかとドイツのテレビ局『RTL』に聞かれると、次のように答えた。
「もちろん理想的なシナリオではない」
「だが、2人はメルセデスというブランドに対して大きな責任を背負っている。チームスピリットに対してもそうだし、パートナーやスポンサー、世界中のメルセデス社員に対してもそうだ」
「そうした仕事が接触ですべて台無しになったら、どこかで制裁措置を取らなければならない。どこかで終わりにしなければならないんだ」
出場停止も選択肢に含まれるのかと改めて聞かれると、ヴォルフは「そうだ。そういう処置もあり得る」と認めた。
■これまで通り戦うとドライバー
イギリスGPの予選では、ハミルトンがポール、ロズベルグが2番手を獲得した。スタート直後の1コーナーについて聞かれると、ハミルトンは、これまで通りにレースをすると答えている。
「もちろん、言われたことは頭の片隅にあるだろうけれど、だからといってこれまでのように激しくドライビングし続けることができないわけじゃない」
ロズベルグも同じだ。
「うん、今も僕たちはコース上で戦っているよ。そのやり方を少し修正した、それだけのことだ」
■バトルで「引く」のも選択肢とラウダ
メルセデスAMG非常勤会長で3度のF1王者であるニキ・ラウダは、ドライバーに冷静に戦うよう求めている。『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が次のような言葉を伝えている。
「スロットルペダルを戻すという選択肢は常にある」
「チャンピオンになりたい者は誰でもポイントが必要だ」
「私なら、1つか2つ順位を落とすほうがコースを飛び出すよりいいね」