F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、イギリスがEU離脱を決めたのは正しいことであり、F1にとってもよいことだと語った。
23日(木)に行われた国民投票の結果、イギリスの国民はEU連合からの離脱を選択。この結果金融市場が下落し、イギリスの通貨であるポンドも31年ぶりの安値を更新する事態となった。
■F1チームのイギリス脱出を予想するメディアも
スペインの『AS』紙は、イギリスがER離脱を決めたことで、現在イギリス国内に本拠をかまえているF1チームのうちいくつかがイギリスを離れることになるかもしれないという推論を展開している。例えば、メルセデスAMGはドイツへ、レッドブルはジュニアチームのトロロッソのファクトリーがあるイタリアへ、そしてルノーはもちろんフランスへ、といった具合だ。
■EU離脱は正しいとエクレストン
だが、エクレストンは“ブレグジット(Brexit)”とも呼ばれる今回の事態に関し、悪いことは何もないと『Mirror(ミラー)』に次のように語った。
「私は一番いいことだと思うよ。我々が自ら統治すべきなんだ」
「もし我々が何か売るものを持っているとする。そしてそれがいい製品で適正な価格であれば、中国人だろうが、イタリア人だろうが、ドイツ人であろうが、みんなが購入するだろう。人々はこれを乗り越えるだろうし、自分たちの生活を守っていくだろう」
■EU離脱を懸念していたロン・デニス
だが、国民投票が行われる前、マクラーレン・グループの最高責任者であるロン・デニスは、イギリスがEUを離脱するのは好ましくないとの考えを表明していた。
デニスはほかのビジネスリーダーたちとともに、EUを離脱すれば「投資が低下し、職が脅かされ、経済がリスクを抱えることになるだろう」とした共同書簡に署名していた。
さらに、デニスは『Times(タイムズ)』にも「ヨーロッパに残ることがマクラーレンのビジネス繁栄の基盤だ」とも語っていた。
■為替差益の恩恵を受けたF1
だが、F1ビジネス記者として知られるクリスチャン・シルトは、イギリスがEUを離脱したことでF1は実際に1億8,000万ドル(約182億7,000万円)もの利益をあげたことになると『Autoweek(オートウィーク)』に書いている。これは、現在F1が行うほとんどの契約が米ドルで行われているためだ。