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F1の無線通信制限ルールは今後も変わらないとFIA会長

2016年06月23日(木)16:45 pm

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長が、F1ドライバーとチーム間のレース中の無線交信内容制限ルールについて見直しをする必要はないとの考えを示した。

■現行無線ルール見直しを求める声

現在のルールではレース中にチームが無線を通じてドライバーにパフォーマンスにかかわる情報を提供したり指示したりすることが禁止されている。だが、先週末にアゼルバイジャンの首都バクーで行われたF1第8戦ヨーロッパGP決勝においてメルセデスAMGのルイス・ハミルトンがエンジンセッティングに関するトラブルを抱えたものの、チームから解決のための支援を受けることができないという事態が発生。

これをきっかけに、メルセデスAMGを率いるトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)を始めとする各方面から今のルールはあまりにも現在のF1の状況を無視したもので見直すべきだとの声が上げられている。

■フェラーリは現行ルールに不満なし

一方、フェラーリのキミ・ライコネンもバクーで似たような問題を抱えていたものの、フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネは違う意見を持っているようだ。アリバベーネはドイツの『Bild(ビルト)』紙に次のように語った。

「我々は現在ちょっとクレイジーな状況を抱えているが、テレビを見ていた多くの視聴者がそれを歓迎していることも分かっている」

「私はルールに不満を言うつもりはないよ」

だが、1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブはブラジルの『Globo(グローボ)』に対し、無線通信制限は「F1にとっては好ましくない」と語っており、現役ドライバーの中にもそういう意見を持つ者が少なくない。

■ドライバー支援削減は全員一致の意見

そうした状況のもと、トリノで開催されたFIA会議に出席していたトッドは、無線禁止ルールは現状のまま変更されることはないだろうと次のように語った。

「全員一致という形でドライバーへの補助を減らそうということが求められていたものだ」

「そして、ショーという観点からすれば、今年はこれまでのところ非常にいいものになっていると感じているよ」

「我々は常に“ドライバーエイド”と呼ばれるものは許されるべきではないとの考え方に立ってきた」

■最初から結果が分からないことが重要

かつてフェラーリのチーム代表を務めていたトッドは、全体的に見て2016年のF1は見どころの多いものになっており、それに満足しているとも語っている。それは昨年までのようにメルセデスAMGの2台がレースで独走態勢を築くという状況が崩れているからだという。

「選手権も接戦になっているし、小規模チームのドライバーたちもそこに加わっていることを私はよろこんでいるよ」

恐らく今季2度表彰台に上ったフォース・インディアのセルジオ・ペレスのことを頭に置いてそう語ったトッドは、イタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』に次のように付け加えた。

「もちろん、私はフェラーリが1位になればうれしいだろうが、重要なことはレースで最初から結果が読めるような状況にならないことなんだ」

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