フェラーリの会長セルジオ・マルキオンネは、早く「勝てるマシン」をドライバーに与える必要があるとチームを鼓舞している。
今シーズンはメルセデスAMGとチャンピオン争いを演じると期待されていたフェラーリだが、7戦を終えていまだに勝利がない。
F1第7戦カナダGPでは、投入した改良型のターボが威力を発揮し、希望も見えた。しかし、次のヨーロッパGP(19日決勝)では、予選でメルセデスAMGに1秒以上の差を付けられている。
■問題は低速コーナーだとベッテル
「ここでの差は大きすぎる。見てみる必要があるね」とセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は予選後に話している。
アゼルバイジャンの首都バクーの公道コースは、2キロにおよぶ長いストレートがあるが、原因は、そこでメルセデスエンジンに負けていることではないとベッテルは言う。
「タイムのほとんどを失っているのはストレートじゃない。問題は低速コーナーにもある」
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によると、フェラーリはセットアップを大きく変えて予選に臨んだ。特にフロントウイングの変化が大きく、ダウンフォースの多いタイプに変えたという。
ダウンフォースの少ないウイングは最高速が伸びるが、タイヤを作動温度領域まで上げられなかったと記事は伝えている。
■「問題はマシンだ」とフェラーリ会長
マルキオンネは、ベニスで行われたイベントで、現在の状況はドライバーの責任ではないとイタリアのメディアに語った。
「ベッテルは卓越した能力を持つパイロットだ」
「だが、勝つためには適切なクルマを与えられる必要がある」
「問題はマシンだ」
「もう一度言おう。ベッテルに勝てるマシンを与える必要がある。彼の準備はできている。問題は、優勝できるクルマを手に入れたときには、シーズンが台無しになっているのではないかということだ」