ドライバー保護装置である「エアロスクリーン」の開発は、一時棚上げとなっている。
F1を統括するFIA(国際自動車連盟)は、ドライバーの頭部を保護するため、2017年からハローと呼ばれる装置を導入する予定だ。しかし、ハローでは完全にドライバーを保護することができないため、ドライバーの周囲をスクリーンで覆うエアロスクリーンの開発も継続する。
■テストで問題が発覚
エアロスクリーンがすぐに採用されなかったのは、FIAのクラッシュテストで、衝撃で振られたダミーの頭部がスクリーンに激突してしまったことが問題とされたからだ。ドライバーの頭部周辺に十分なスペースを取り、なおかつ衝撃に耐えられる強度が求められている。
FIAは、エアロスクリーンを考案したレッドブルに対し、さらに開発を進めるよう求めている。しかし、レッドブルは既にエアロスクリーンの開発に25万ユーロ(約2900万円)を投じていると『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は伝えている。
■ピレリのテスト用マシンも準備中
チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、一時棚上げにするしかないと話す。
「今は、ほかにも多くのプロジェクトを抱えていて手が出せない」
「2016年と2017年のクルマに取り組んでいる。また、幅広のピレリタイヤをテストするクルマも、8月の第1週までに用意する必要がある。従って手一杯なんだ」とホーナーは説明している。
レーシングカーメーカーのダラーラなど、外部に開発を委託することもできると記事は伝えている。