初開催となるF1ヨーロッパGPのコースに関して、ドライバーから安全性を懸念する声が上がっている。
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アゼルバイジャンの首都バクーに設けられた市街地コースは、コンクリートの壁やバリアが近いという公道ならではの特徴と、ストレートが多い高速コースの特徴とを合わせ持つ、他に類がないサーキットだ。
開幕前日の16日(木)には、ドライバーやエンジニアが徒歩や自転車でコースを下見する姿が見られた。
F1最高責任者のバーニー・エクレストンは満足げだ。
「バクーはいい街で、不満はまったくない」というエクレストンの言葉を地元アゼルバイジャンの通信社『Trend(トレンド)』が伝えている。
■基準が順守されたのか疑問を呈すバトンとロズベルグ
しかし、ジェンソン・バトン(マクラーレン)とニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は、サーキットの安全性に疑問を呈している。
「FIAは信頼しているよ」とロズベルグ。
「コースを建設する際には一定のルールがある。FIAがそれを守ってくれたことを祈るよ。ああいうコーナーを見ると、ちょっと疑いたくなるけれど」
旧市街を囲む城壁沿いの非常に狭い区間は、道幅わずか7メートルで、これはFIAが定める基準より5メートルも狭い。
バトンは、最高速が時速350キロに達するサーキットにもかかわらず、ランオフエリアがまったくない個所があると指摘している。
「僕たちは安全性に懸命に取り組んでいるし、常にサーキットを改善し続けている。ところが、ここに来てみたら、ランオフエリアがまったくないコーナーがあるんだ」
ロズベルグも同じ意見だ。
「大事故が起きかねない。そうなったら最悪だ」
■難しさを歓迎する声も
一方、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は、ピット入り口に設けられたシケインに懸念はないかと聞かれると、次のように答えている。
「僕はエキサイティングだと思う。ピット入り口は難しそうだ。でも、僕たちがここにいるのは挑戦するためだからね」
だが、ヨーロッパGPのアンバサダーを務めるフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)でさえ、来シーズンに向けて修正が必要な個所もあるのではないかと示唆している。
「たぶん今後話し合うコーナーがいくつかあるだろうね」
「十分に安全なランオフエリアを作るために、FIAはさまざまなシミュレーションを行ったと思う。その中には、十分な個所もあれば、ちょっと狭いんじゃないかと思う個所もある。それでも、モナコよりはマシだ。あれより悪くはなりようがないからね」