F1を統括するFIA(国際自動車連盟)は、フェラーリとレッドブルのウイングに目を光らせている。
F1第5戦スペインGPで、フェラーリのリアウイング全体が、高速走行中にわずかに後方に倒れるのが後ろ向きのオンボードカメラに捉えられていた。これに気付いたチームがいくつかあるとドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えている。
動画では、リアウイングと共に、排気パイプ上に取り付けられた「モンキーシート」と呼ばれる小さなウイングも動いているのが確認できる。これによって、ストレートなどでの空気抵抗が減る可能性がある。
また、レッドブルのフロントウイングも、両サイドに付いているエンドプレートの奥が外側に開くような動きをすると記事は伝えている。
いずれのケースも、FIAが行っている剛性テストを通過しているため、ルール違反にはならない。
しかし、ルールには、空力的なアドバンテージを得るためにどんなパーツも動いてはならないと書かれている。FIAは、既にこの問題に気付いており、対策として新しいテストの導入を検討していると『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は伝えている。
●【動画】スペインGP ベッテルvsリカルド
リンク先2つ目の動画が、フェラーリの後方オンボード映像。特にストレートエンドでのブレーキングで、後方に倒れていたリアウィングとモンキーシートが元に戻る様子が分かる。
■分析
後方へ倒れているウィングと、モンキーシートに注目いただきたい。やや分かりづらいため、上端に赤いラインを入れている。後方カメラの位置からだと、ストレートで走行中は翼端版の角度が水平になっているのがわかる。
また、モンキーシート右上端のエンジンカバーに隠れている部分にも注目いただきたい。
■ウィングとモンキーシートが後方へ
■ウィングとモンキーシートが前方へ