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人権団体がアゼルバイジャンに関するF1ボスの姿勢を批判

2016年06月09日(木)17:41 pm

来週、アゼルバイジャンの首都バクーの市街地コースを初めてF1カーが疾走することになっている。だが、F1ヨーロッパGP(19日決勝)と名付けられたそのレースを前に、人権団体がF1最高責任者バーニー・エクレストンに公開質問状を出したことが話題に上っている。

■アゼルバイジャンに大きな問題はないとエクレストン

1年前、2016年にバクーでF1が開催されることが決定したすぐ後に、F1は「我々のすべての活動において人権を尊重する」とした新たな活動方針を設定したことを明らかにしていた。

だが、アゼルバイジャンはこれまで絶えず人権団体の批判の的とされてきていた。正式な手続きを踏まない逮捕や無期限拘留が後を絶たないことに加え、取り調べにおいても殴打や拷問が行われているというのがその主な理由だ。

しかし、エクレストンは1年前にアゼルバイジャンについて次のように語っていた。

「みんなが幸せそうにしていると思うよ。あそこには何も大きな問題はなさそうだ」

だが、最近イギリスのメディアが報じたところによれば、エクレストン本人ではないものの、F1商業権を管理するFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)を代表して2人の人物が人権団体グループである「Sport For Rights(スポーツ・フォー・ライフ)」と会っていたことが明らかとなった。

■エクレストンの発言の影響を懸念する人権団体

その団体の責任者を務めるレベッカ・ビンセントは次のように語った。

「私たちはバーニー・エクレストンに対し、アゼルバイジャンにおける人権問題に対して公的に語るよう依頼しました」

「私たちは彼に公開状を出しましたが、まだおおやけに回答は得られていません」

「ほかの団体とのものに比べれば、今回の会談は建設的なものだったことを強調しておきたいと思います。(しかし)エクレストン自身はいくつか無用なコメントを行ってきていますし、彼の性格を考えれば、今後もさらにそういうコメントがなされるのではないかと懸念しています」

■F1は人権擁護の姿勢を明らかにせよ

また、もうひとつの人権団体「Business and Human Rights Resource Centre(ビジネス・アンド・ヒューマン・ライツ・リソース・センター)」のフィル・ブルーマーも、エクレストンに対して次のようなメッセージを発している。

「我々はレースをキャンセルするよう要請しているわけでもなければ、人々に(レースに)行かないように呼びかけているわけでもない。我々はエクレストン氏に対し、抑圧を見過ごすのではなく、この機会を利用して(人権問題に)立ち上がることを求めているのだ」

「彼は昨年、アゼルバイジャンの人権問題に関しては大きな問題はないとし、人々は幸せそうに見えると語った。(だが)ほんの5分もグーグルで調べてみれば、実際には何が行われているのか分かるはずだよ」とブルーマーは付け加えた。

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