今週末のF1カナダGP(現地時間12日決勝)ではフェラーリの戦闘力が大幅にアップするかもしれない。
■大幅に改善したパワーユニットを投入との報道
最近の数レースで思うような結果が残せなかったフェラーリでは、モントリオールで行われるカナダGPに向けてパワーユニットの改善に取り組んでいるようだとうわさされていた。そして、これまでの報道によれば、今回の改善は主にターボシステムの再設計が中心となっているようだ。そこは今季序盤からトラブルが発生していた部分だ。
そして、フェラーリでは6枚残されていた「トークン(開発引換券)」のうち3枚を投じてパフォーマンス改善を行ったとも伝えられている。カナダGP以後まだ14レースを残す今季だが、それが事実であればフェラーリのトークンはわずか3枚を残すのみとなる。
フェラーリでは、現時点ではこうした報道が事実であると認めてはいない。だが、パワーユニットディレクターのマッティア・ビノットは、フェラーリ公式サイトの中でモントリオールについて「エンジンパワーが非常に重要となるところだ」と語っている。
■新ショートノーズを投入とのうわさも
さらに、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、フェラーリはそれに加えて新たな空力パッケージをカナダGPに持ち込むようだと報じている。そして、その中には統括団体FIA(国際自動車連盟)によるクラッシュテストに最近合格したばかりの新ノーズが含まれていると考えられている。そのノーズは現在のものよりもさらに先端が短くなっていると言われている。
パワーユニット改善や改良パーツの投入により、フェラーリの強さと信頼性が増してくれば、メルセデスAMGやレッドブルにとっても脅威となるのは確かだろう。
■タイトル争いも混戦必至?
1996年のF1チャンピオンであるデーモン・ヒルは、そうなればF1のためだけではなく、現在ランキングトップにいるメルセデスAMGのニコ・ロズベルグにとっても歓迎すべきことだろうと『Sun(サン)』に次のように語っている。
「ポイント争いにさらに多くのライバルたちが加わってくれば、ルイス(ハミルトン/メルセデスAMG)が彼らからポイントを奪うのも難しくなってくるだろう」
「そして、もしフェラーリがこれまでよりもうまくやれば、今後は大きな戦いが繰り広げられることになるだろうし、いろんなドライバーたちがポイントを取ることになるだろうからね」