F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のF1競技委員長を務めるチャーリー・ホワイティングが、このところクラッシュを多発しているダニール・クビアト(トロロッソ)を擁護する発言を行った。
■クラッシュ多発のクビアト、次戦はグリッド降格
今季レッドブルで2年目を迎えたクビアトだったが、第3戦中国GPではセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のインを激しく攻めたことでフェラーリ勢同士のクラッシュを誘発。さらに母国レースの第4戦ロシアGPでは、やはりベッテルに2度もぶつかってリタイアに追い込んでしまった。
この後、マックス・フェルスタッペンと入れ替わりにジュニアチームのトロロッソへと降格されてしまったクビアトだが、前戦モナコGPではケビン・マグヌッセン(ルノー)とからむクラッシュを起こし、今週末のカナダGP(12日決勝)では3グリッド降格ペナルティーを受けることが決まっている。
■この流れは断ち切るはずだとF1競技委員長
「ああ、彼はクラッシュを起こしてしまい、それによってペナルティーを下された」
『Tass(タス通信)』を含むロシアのメディアにそう語ったホワイティングは、次のように続けた。
「だが、彼は非常にいいドライバーだよ。私は好きだし、彼を尊敬しているよ」
「確かに、彼は何度か事故を起こした。だが、彼がこれからもずっと違反ばかり起こすドライバーになるとは思わないよ」
しかし、2014年にF1デビューを飾ったジュニアチームのトロロッソへ降格された22歳のクビアトに不満が募っているのは明らかだ。最近では今後レッドブルとの関係を絶つことさえ考えているとほのめかしている。
■クビアトはこのままでは終わらないとロシアの重鎮
ロシア自動車連盟で大統領顧問を務めるイゴール・エルミリンは、このままクビアトのF1キャリアが終わるようなことはないはずだとロシアの日刊スポーツ紙『Sport Express(スポルト・エクスプレス)』に次のように語った。
「F1でのうわさは毎日のように変わるし、食い違っている」
「ウィリアムズを含む多くのチームが彼(クビアト)に興味を示しているのは秘密でも何でもないことだ」
「だが、それも今シーズンの残りがどう進展するかにかかってくるだろうね」
クビアト本人は、カナダGPに向けた公式プレビューコメントの中で次のように語っている。
「不満の残ったモナコでのレースはもう忘れたし、自分の力をもっと示していこうと決心しているよ」