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フェラーリエンジニア「タイヤ空気圧のトリックは不可能」

2016年06月03日(金)18:53 pm

最強メルセデスAMGにとって最大のライバルとなると目されていたフェラーリだが、最近の2レースでは予選後半にタイヤの機能をうまく発揮できなくなるというトラブルに見舞われている。

今年のタイヤルールでは、かつてより高めの空気圧設定を施さなくてはならなくなっている。だが、チームの中にはセッション中だけ空気圧を下げ、よりグリップを得られるようなトリックを使っているところもあるのではないかと言われている。

最近のレースでフェラーリの勢いが失われたように見えるのは、ライバルチームたちがそうした秘密のテクニックを使って有利にタイヤをマネジメントできているためではないかという推測も一部にはあるようだ。

■タイヤ空気圧の違法制御は不可能

だが、2014年までメルセデスAMGに在籍し、今年からフェラーリでの仕事を開始したF1エンジニアのジョック・クリアは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。

「空気圧が低めのほうがグリップは高くなる。だが、予選で1周を行うときに自分たちが望む範囲の空気圧を保つのはそれほど難しいことではないんだ」

クリアによれば、何らかのトリックを使ったにせよ、レース中の空気圧を調整するのはかなり難しいことだという。

「いくつかのチームがタイヤの空気圧を大きく下げることができるという話は信じていないよ。0.5PSI(ポンド・スクエア・インチ)なら可能かもしれないが、2PSI下げるのは無理だ。我々としてはそんなことは不可能だと考えている」

「車輪の熱を下げる賢い対策に関するうわさもある。だが、そういったものはすべて非合法だ。FIA(F1統括団体である国際自動車連盟)はすべてのF1カーが合法だと認めている。つまりそういう疑いを持つ理由はないということだ」

いずれにせよ、最近はメルセデスAMGに手が届かないばかりかレッドブルにも上に行かれてしまっているフェラーリに関しては「危機的状況」だと報じているメディアもある。しかし、クリアはそういう見方もまた間違いだと次のように続けた。

■必ずメルセデスAMGとの差は縮まる

「メルセデスAMGとの差は我々が想定していたよりも大きい。だが、昨シーズンの平均値や2015年の最終戦よりは小さくなっているんだ。それが前向きな点だね」

「我々はメルセデスAMGとの差を縮めつつある。我々は2つ(メルセデスAMGとフェラーリ)のパフォーマンス・カーブがそのうち交わるはずだと確信しているよ」

そう語ったクリアは、次のように付け加えた。

「唯一の問題は、いつそうなるのかということだ」

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