現役時代に4度F1タイトルを獲得したアラン・プロストが、ルノーでは完全に2017年に向けた開発にシフトすべきときが近づいていると語った。
【結果】F1モナコGP決勝の順位、タイム差、周回数、ピット回数
■モナコで大幅な進歩を見せたルノーパワーユニット
現在はルノーのアンバサダーを務めているプロストだが、今季ルノーが果たしたパワーユニットの改善は素晴らしいと絶賛している。
登録上は「タグ・ホイヤー」という名称に変えられているものの、レッドブルでは今季もルノーから供給を受けたパワーユニットが搭載されている。
そして、比較的エンジンパワーによる優劣が出にくいと言われるレースではあるものの、先週末にモンテカルロ市街地サーキットで行われたF1モナコGPでは、レッドブルのダニエル・リカルドがポールポジションを獲得する速さを見せた。そして決勝でもピットストップ作業でタイヤ交換に大きく手間取るというミスさえなければ、確実に勝利を手にしていたであろう活躍を見せた。
プロストは、フランスの『Ouest-France(ウエスト・フランス)』に次のように語った。
「非常に速やかな改善ができた」
「F1のような計算しつくされた世界でこういうことが起きるのはかなりまれなことだよ。空力関連ではこういうことも起こりえる。だが、エンジンに関してはそれほど起こることではないんだ」
「ルノーのプロジェクトに取り組んでいる人たちの士気向上にとってもいいことだ」
■浮き彫りとなったルノーのシャシー性能の低さ
一方、ルノー製パワーユニットを搭載するレッドブルがモナコでは最強メルセデスをも打ち破る速さを示してみせたことで浮き彫りとなったのが、同じユニットを搭載するルノーワークスチームのシャシーの非力さだ。
「これは、ルノーがシャシーに全力を傾けるべきだということを示すものだった」
そう認めたプロストは「正直に言って、これはかなり大変な仕事だよ」と付け加えた。
ルノーのレーシングディレクターを務めるフレデリク・ヴァスールも、2017年に向けて懸命な取り組みを行う必要があることは十二分に理解している。だが、ヴァスールは、2016年型車の開発もすぐにやめるわけにはいかないと語っている。そうすれば、それまでシャシー開発を続けてきたエンストンのファクトリーの闘争心にも悪影響を及ぼす可能性があるためだという。
■早急な開発シフトの決断が必要だとプロスト
だが、プロストは、あまり判断を先延ばしにするべきではないと次のように主張した。
「決定は下されるべきだが、それは私がやることではない。それは(チーム)首脳部が行うべき決断だ」
「簡単なことではないだろう。だが、どこかの時点でその決断を下すしかない。重要なことは、将来に目を向けた開発を行うことだ」
そう語ったプロストは、次のように付け加えた。
「まさにメルセデスAMGが3年かけて行ってきたのがそれだよ。そして(2014年に)レギュレーション変更を自分たちのアドバンテージへと利用したんだ」