レッドブルのダニエル・リカルドは、ピット作業に時間がかかったことで、伝統のモナコGPでの優勝を逃した。
●【動画】F1モナコGP決勝レース・ハイライト映像 レッドブル、タイヤを用意せず自滅
F1第6戦モナコGPで、リカルドは自身初のポールポジションからスタートしてトップを快走していたが、チームからの指示でピットインしたところ、交換するタイヤが用意されておらず、10秒ほどロスした。この間にルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)にかわされ、そのまま2位でレースを終えた。
チェッカーフラッグを受けたあと、リカルドは無線で「何を言っても良くはならない。何も言うな」とチームに対する怒りを表していた。
■2レース連続で「失敗された」と怒りのリカルド
普段は笑顔のリカルドだが、表彰台でも表情は晴れなかった。
「つらいよ。これからどこへ向かえばいいのか、どうすればいいのか分からない」
前戦の第5戦スペインGPでも、リカルドはトップを走っていたが、チームの戦略で3ストップ作戦に出たことが裏目に出て、4位で終えていた。
「これで、レースウィーク2回連続で失敗されたんだ。2レース連続だよ、2レース連続。それしか言えないよ」
「バルセロナ(スペインGP)はぐっと我慢した。でも、2回連続だよ? しかも、このモナコでなんて。レース後にチームに言ったよ。何を言っても僕の気分は良くはならないって」
■モナコの特殊な状況がミスを招いた
レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、モナコではガレージが狭いことと、指示を出す「ピットウォール」がガレージの上階にあることがミスを招いたと説明している。
「混乱が起きた。もともとメカニックは黄色いソフトタイヤを用意していた。その後、スーパーソフトに変更するよう指示が出たが、そのタイヤはガレージの裏にあり、クルマに持っていくのが間に合わなかった」
「ここのガレージは非常に狭いから、2台分のエクストリームウエットとインターミディエート、3種類のスリックタイヤを同時にはガレージに置いておけない」
「急な変更によって起きた伝達ミスだ。30秒前の変更だった。それでも通常ならまったく問題ないのだが」
■リカルドに謝罪するレッドブル
ホーナーは「言い訳のしようがない」と話し、「サポートできなかったことをチームとしてダニエルに謝罪しなければならない」とコメントしている。
また、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコも、レース後に次のように話している。
「われわれは調査し、(何が起きたか)解明する。だが、人為的ミスだった」
「本当に申し訳なく思う。われわれにできるのは、彼に謝罪することだけだ」