F1モナコGP(29日決勝)でドライバー頭部保護装置の改良型をテストすると報じられている。
F1を統括するFIA(国際自動車連盟)は、ドライバーの頭部を保護する装置を2017年から導入する予定で開発を進めている。
すでに2チームがプロトタイプをテストしている。フェラーリはスチール製の「ハロー」と呼ばれる装置でドライバーの頭部周辺を囲うタイプをテストし、レッドブルは「エアロスクリーン」と呼ばれる透明なスクリーンで覆うタイプを試した。
FIAは来年の導入について7月1日までに決定するとしているが、チームはそれでは遅すぎるとしている。
「クルマの設計に深刻な影響を及ぼすような詳細に関して、すでにひどく遅れている」とウィリアムズの最高技術責任者パット・シモンズは話している。
■モナコGPで結論を出したいFIA
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、「FIAはこの問題をモナコGPで解決したいと考えている」と伝えている。
今回試されるのはハローを修正したもので、カーボンやスチール製ではなくチタン製で、フェラーリがシーズン前にテストしたものより外見の面でも空力の面でも改良されているという。
また『Speedweek(スピードウィーク)』は、ハローだけでなくエアロスクリーン型もモナコGP初日の26日(木)に改良型がテストされる予定だと伝えている。
■2017年の導入はまだ確定せず
ハロー型もエアロスクリーン型も、かえって安全上の問題をもたらす可能性があり、完ぺきではないと指摘されている。
しかし、元F1ドライバーのマルク・スレールは、ハローかエアロスクリーンのどちらかが2017年に導入されるだろうとドイツの『Sky(スカイ)』に話している。
「理由はごく単純だ」
「こう想像してみたまえ。FIAがすべてを延期して、来年、頭部に深刻なケガを負ったり死に至ったりするアクシデントが起きたらどうなるか」
「そうなったら、解決策は準備できていたのに、どういうわけか導入されなかったと誰もがFIAを批判するだろう」