F1を統括するFIA(国際自動車連盟)会長のジャン・トッドは、メルセデスAMGの支配を責めるより、ライバルチームの向上を促進すべきだと話している。
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対してF1最高責任者のバーニー・エクレストンは、メルセデスAMGが圧倒的支配を続ける現状を何としても変えたいという考えだ。
「状況を変えたいね。メルセデスAMGの支配を止めたい」とエクレストンはF1第5戦スペインGPでイギリスのテレビ局『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』に話した。
■「1強支配はスポーツの一部」とトッド
FIAも、エンジンメーカーによる差の縮小に取り組むことになっている。トッドは、メルセデスAMGの支配は前例のないものだという声に反論し、フィンランドのテレビ局『MTV』に次のように語った。
「人は都合の良いことだけ覚えているものなのかといつも驚かされるよ」
「1強支配というものは、モータースポーツにおいて、あるいはスポーツ全般においても、切っても切れないものだ」
「50年前はロータスとジム・クラークとコリン・チャップマンだった。その後もウィリアムズの支配があり、マクラーレンの支配があり、フェラーリの支配があり、レッドブルの支配があり、そして今はメルセデスAMGが支配している」
「1チームの支配についてばかり話すのではなく、残りの全チームに対して、あらゆる努力を注いで追いつき、倒すよう促すべきだ」
■ライバルの成長を歓迎するダイムラー会長
昨年からフェラーリが徐々にメルセデスAMGとの差を狭め、スペインGPではレッドブルが今シーズン初優勝を遂げた。
メルセデスAMGの親会社であるダイムラーの会長ディーター・ツェッツェは、ライバルの成長を歓迎している。イギリスのテレビ局『Channel 4』にこう話した。
「差がつまるほうがいい。シーズン前に話した通り、私の望みは最終戦に1ポイント差でチャンピオンになることだ」