今年からフルワークスチームとしてのF1挑戦を再開したルノーだが、レーシングディレクターを務めるフレデリク・ヴァスールが今後のドライバー構成に関する考え方を述べた。
■近いうちにドライバー交代とのうわさも
昨年末に正式にロータスを買収したルノーだが、ロータスとの間で今シーズンの契約を結んでいたジョリオン・パーマーをそのまま走らせるとともに、スポンサー問題が発生したパストール・マルドナードに替えて昨年までマクラーレンに所属していたケビン・マグヌッセンと開幕直前に契約を結んでいた。
しかし、今季のルノーがここまでに獲得できたポイントは、第4戦ロシアでマグヌッセンが稼いだ6ポイントだけとなっている。チームとしてなかなか結果が出せない中、F1関係者の中には近いうちにルノーのドライバーラインアップが変わるのではないかと考えている者もいるようだ。
イギリス人ドライバーのパーマーとデンマーク人ドライバーのマグヌッセンは、現在チームにスポンサー費用を持ち込んでいるという背景はあるものの、フランス人ドライバーでありメルセデスの育成メンバーであるエステバン・オコン、ロシア人ドライバーのセルゲイ・シロトキン、カナダ人ドライバーのニコラス・ラティフィといった若手ドライバーが虎視眈々(たんたん)とシート獲得を狙っているのも事実だ。
■アロンソの復帰説も
そして、中には、かつてルノーで2回F1タイトルを獲得したフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)が再びルノーへ復帰するのではないかとのうわさもある。
だが、ヴァスールは、ルノーとしてはアロンソのような「ビッグネーム」と契約することは考えていないとデンマークの『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデ)』に次のように語った。
「ある時点で私のボスが私に(ドライバー決定を)求めるだろうとは思っているよ」
「そして彼はドライバーの名前にはこだわっていないんだ」
■重要なのは将来のチャンピオン発掘
「もしクルマに名のあるドライバーを乗せれば、1週間くらいは話題になるだろう。だが、結局のところは結果がすべてなんだ。だから最高のドライバーを乗せることもできるし、最高のドライバーに成長できると思われる者を乗せることもできる」
「そうした考えのもとに、我々は若手ドライバーを乗せることにした。我々にとって一番重要なのは2020年もしくは2021年のF1チャンピオンを見つけることなんだ。2006年のではなくてね」
そう語ったヴァスールは、笑いながら、アロンソばかりでなくキミ・ライコネン(フェラーリ)にも興味はないと示唆しながら次のように続けた。
「誰が2005年や2006年のタイトルを取ったかなんて思い出せないよ。2007年もね」
ヴァスールは、今のルノーにとっては実績を持つ有名なドライバーを獲得することより前にやるべきことがあると、次のように締めくくっている。
「まず、我々は自分たちのドライバーにいいクルマを提供できるようにならなくてはならないんだ」